能天気に犯行を“自供”
「ある現場では、攫った女に対して、大人のオモチャを使って性的凌辱を繰り返したんだよね。それを指示役の男にテレビ電話で見せたらめちゃくちゃ喜んでいた」
自身が犯した罪の重さに向き合うことなく、ひたすら能天気に犯行を“自供”していたというのだ。
再びA氏が語る。
「いずれの現場でも指示役の男は同一人物だったようですが、『何者なのか全く分からない』と話していたのが印象的でした」
こうした指示を実行役に下す男たちとは、いったい何者なのか。さる暴力団関係者が解説する。
指示役は詐欺から強盗に“鞍替え”した面々
「指示役の連中は、かつてオレオレ詐欺やフィッシング詐欺をしていた面々です。日本で暮らしている人間もいるが、基本的には警察の目が届きにくいカンボジアやタイなどの東南アジアに拠点を構えて実行役に指示を送っているんです」
なぜ彼らは詐欺から強盗に“鞍替え”したのか。その背景には「シグナル」や「テレグラム」といった匿名性の高い通信アプリの発達がある。
「連中には、これまで培ってきた犯罪のノウハウや詐欺のために集めた名簿がある。その上でこうしたアプリの匿名性に目をつけ、自らが手を汚さず犯罪収益を得られる方法を考え出したわけです」(同前)
これが昨今続発する緊縛強盗事件に繋がっているというのだ。
暴力団関係者が続ける。
「指示役の下につくリクルーターは多種多様。闇バイトで頭角を現して抜擢される者もいれば、もともと指示役の知り合いというパターンもある。彼らは実行役をリクルートするだけでなく、指示役からの命令を聞いて現場に指示を出すこともある。ただ、指示役と直接顔を合わせることはほとんどありません」
リクルーターたちが実行役を集めるのは主にSNSだ。「即日即金」「高額報酬」「資金調達」といった文言を並べ立て、甘い言葉で“闇”の世界に引きずり込んでいくのである。
では、実際彼らはどのような手口で若者たちを闇バイトに引き入れていくのか。