秋篠宮家の長男・悠仁さま(18)が来年の春に筑波大学へ進学されることとなった。多くの学生が構内の寮や付近のアパートに下宿していることもあり、12月26日に行われた定例会見で、筑波大学の永田恭介学長は「希望を言えば、寮で暮らしていただきたい」と話している。悠仁さまのご通学や大学生活はどのようなものになるのだろうか。近刊に『皇室とメディア』(新潮選書)がある、名古屋大学大学院人文学研究科准教授の河西秀哉氏が考察する。
◆ ◆ ◆
悠仁親王の2025年4月からの筑波大学生命環境学群への入学が決定した。
戦後の象徴天皇制は、社会の変化に応じ、そのあり方を変化させてきた。個を尊重し、自身の思いの実現を果たすことが重視される現在の世の中にあって、悠仁親王が行きたい大学、学びたい研究分野を選択するのは当然ではあろう。しかし、将来の皇位継承者として、皇族には様々な制限があり、私たちと同じように行動することに困難があることもまた事実である。
電車通学なら片道で1時間半
宮内庁は今のところ、悠仁親王は現在居住している赤坂御用地の秋篠宮邸から筑波大学(茨城県つくば市)へ通うとしている。すると、電車ならばJRやつくばエクスプレスに乗って通学することになる。片道で1時間半ほど、往復にすると3時間近くかかる計算となる。都内の大学に比べればかなりの長距離だろう。もちろん、これくらいなら通っている大学生もいる。
しかし、悠仁親王は将来の皇位継承者であるから、もちろん警備が必要となる。1限に間に合うような電車ならば、都心では満員電車であることが想定される。それに乗ることは警備上かなり難しい。また、元赤坂から筑波大学までならばどこかで乗り換えが必要となる。そうした乗り換え駅にも警備のための人員を配置する必要があるだろうか。しかも、元赤坂から筑波大学まで通うならば、東京都だけではなく埼玉県・千葉県を通過して茨城県に向かうため、警視庁だけではなくそれぞれの県警の管轄となるだろう。広域にまたがる通学ゆえ、その警備は都内の大学に通う以上の負担となる。
これほどの長距離を車で通うのは…
そうであるならば、車で筑波大学まで通うという方法も考えられるだろう。仮に信号を止めるなどといった交通規制を行わないとすると、渋滞に巻き込まれる可能性も高い。信号で止まったり、渋滞に巻き込まれたりすることで、悠仁親王の乗った車はテロなどに狙われやすくなる危険性もある。さらに、宮内庁職員が運転する車が事故を起こしたり、事故に巻き込まれたりする可能性もあるだろう。このように、車でも警備や安全上の問題はつきまとうのである。
また、これほどの長距離を車で通うという選択肢を採れば、多くの大学生と異なる通学手段となる。ある種の「特別扱い」感が目に見えてしまうことになり、これが報道されれば、現在の秋篠宮家に対する厳しい批判に対して、さらに火に油を注ぐ結果にもなりかねない。