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電車も車も一長一短

 つまり、通学に関して言えば、電車で通うにしても車で通うにしても、どちらの選択を採るのも一長一短があり難しい。

 そもそも、先に述べたように、元赤坂から筑波大学まではかなり長時間の通学時間となる。近年の大学は、出席に厳格で、課題も多い。それに加えて、悠仁親王の入学する理系は実験などもあり、長時間の学びが想定されるのである。行き帰りの電車や車のなかで課題などに取り組むとしても、必ずしもそれだけでは果たせないことは多いだろう。毎日、朝早くに元赤坂を出て、夜遅くに帰る生活を続けていて、それが十分にできる時間はあるのだろうか。

2024年8月、第48回全国高校総合文化祭の「花いけバトル」部門をご覧になる秋篠宮ご夫妻と悠仁さま ©時事通信社

つくば市に住んだ方が合理的かもしれない

 しかも、大学は勉強だけに取り組む場でもない。友達と話し、サークルや部活などに取り組むことも想定される。20歳を超えれば、飲み会などもあるだろう。現在の天皇も父親の秋篠宮も学習院大学時代、そうした機会が多数あった。そうした経験を通じて、現在の社会をさらに知り、大学卒業後も相談できる友人たちを作っていくことも悠仁親王には求められるだろう。むしろ、これまでの慣例に従って学習院大学へ入学しなかった悠仁親王には、それまでの皇族以上に幅広い人々・世界を知る機会として、筑波大学があるのではないか。授業以外にもそのための時間も必要なのである。

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 また、これだけ通学に毎日時間が費やされるとなると、公務をするのも難しいだろう。繰り返すが、最近の大学生は課題も多くて忙しい。公務に割く時間はないのではないか。また、将来の天皇としての教育、たとえば過去の天皇の「御事績」を学ぶ時間もないだろう。

 そうすると、最終的にはつくば市に住んで大学に通う選択肢も出てくるのではないだろうか。実際は、1年生の時からその可能性もあるし、研究室などに入って実験などで忙しくなる学年からつくば市に住むという可能性もあるだろうか。

 いずれにしても、つくば市に住んだ方が、大学の授業にも、大学での学外活動にも取り組む時間が増える。また、親元から離れ、自立する可能性もある。筆者としては、その方がいいようにも感じる。