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 もちろん、そこにも様々な問題はある。どういったところに悠仁親王が住むのかという問題である。マンションであると、両隣や上下の部屋も含めた安全の確保がやはり警備上では必要となる。しかし、それは可能なのか。実際にすべて借りるとすると費用の問題などからやはり批判の対象となる危険性もある。では一軒家なのか。大学の寮なのか。

 その場合も、つくば市に普段いるのだから、やはり公務をするのは難しいだろう。公務のたびに東京へ帰ってくるのは現実的ではない。また、やはり将来の天皇としての教育も、難しいかもしれない。この点は大学卒業後ということになるだろう。もしかすると、元赤坂に住んで通うという現在の宮内庁の説明は、在学中も公務をする可能性を確保するために東京にいてほしいということもあるのだろうか。

広大なキャンパスを警備する必要も

 通学問題だけではない。筑波大学は広大なキャンパスを有する。そして学内では近所の人が普通に散歩するなど、開かれているのが大学という場である。そうすると、誰が入ってくるかもわからないなかで、しかも広大なキャンパスを警備する必要もある。

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三笠宮妃百合子さまの「斂葬の儀」で、葬場に向かわれる悠仁さま ©時事通信社

 大学の授業は、高校までと違ってクラスという概念もあまりない。1限と2限では授業を受ける学生が入れ替わることも多々ある。教室にも様々な人が入ってくるのである。お茶の水女子大学附属中学校時代、悠仁親王の教室の机の上に果物ナイフが置かれる事件が発生したが、そうした危険性はより高まるのである。警備はこれまで考えられたことのないレベルで取り組むことが求められるだろう。

 つまり、戦後生まれの皇族として初めて国立大学に入学することになった悠仁親王には、様々な困難がつきまとうことが予想される。宮内庁は入学までの期間、関係各所と相談しつつ、こうした問題をクリアしていくことが求められるのである。