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済州航空の無理な運航スケジュール

 済州航空の無理な運航スケジュールに関する指摘も出ている。LCC航空会社の済州航空は、新型コロナウイルス感染症の影響で2020年から2022年まで3年連続で営業損失を計上。最近は、海外旅行客の増加と年末シーズンを迎え、無理な運航スケジュールを消化しようとしていた。実際、事故機は事故前の48時間に、6ヵ国を行き来しながら13回も運航したという。

日本への就航便も多数あった(済州航空日本版サイトより)

 専門家たちは「無理な運航により、機体の疲労度が高かった」と分析する。差し迫った運航時間によって整備などの安全管理が不十分だった可能性もあるという指摘もあるが、これは詳しい調査を通じて明らかにしなければならない問題だろう。

 さらには、韓国の地方空港*の運営と管理を統括する韓国空港公社の社長が、政権の天下りで任命されるケースが続き、政治的な癒着があったという問題も指摘されている。
*仁川空港は含まない

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 現在、韓国空港公社は、文在寅(ムン・ジェイン)政権時代に任命された前任社長が退任し、8ヵ月間空席となっている。尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権で社長と目されていた人物は、大統領府の移転問題などで監査院から重懲戒処分を受けたため、世論と野党からの反対によって任命が保留されているためだ。

尹錫悦大統領 ©️EPA=時事

「人災」という側面が強い“最悪の航空事故”

 このように、長期に渡りトップが不在という韓国空港公社は、昨年の6月に発表された「2023年度公共機関経営実績評価」では落第点に該当するD(不十分)評価を受けている。ちなみに「安全および災難管理」部門ではE+(非常に不十分)評価を受け、その安全面が早々から警告されていたのだ。

 韓国の“最悪の航空事故”として記録される済州航空事故は、関係機関の不十分な安全意識に起因した「人災」という側面が強い。それだけに、韓国国民の胸の中では2014年のセウォル号沈没事故と2022年の梨泰院(イテウォン)雑踏事故とともに「後進国型」事故として記憶されるものと見られる。

墜落現場を訪ねたタイ人犠牲者の家族 ©EPA=時事