「顔を出すようになると顔についてのコメントが増えるんですよ」

――特に女性だと迷われるところだと思うのですが、恐怖感はありませんでしたか?

kson 職場の人にバレたら嫌だなぐらいですね。でもやっぱり、顔を出すようになると顔についてのコメントが増えるんですよ。かわいいとかブスとかもそうだし、「アジア人じゃねーか」みたいな人種的な攻撃も来るようになって、容姿の話に引っ張られる。自分でも容姿売りするタイプの美人だと思ってないし、いい年なのも事実だから言われること自体はまだしも、ゲーム配信として面白いかどうかを見てもらえなくなるのはストレスでしたね。

 

――それはVTuber活動を始める動機になったり?

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kson 個人でアバターを作って使ったりもしてました。アバターだと化粧しなくていいのが最高なんですよ。職場もすっぴんだったので「なんで配信のためだけに化粧しなきゃいけないんだ」って面倒すぎて。事務所に入ってVTuberとして活動するようになってからはもちろん顔は出さないですし。

――そして本格的にVTuber活動を始めていくことになるんですね。

「3年くらいしたら普通に仕事に復帰するつもりでした」

kson 2019年からあるVTuberのいわゆる「中の人」として活動を初めて、その時期はもうずっと150%で走ってましたね。ほとんど毎日2~3回くらい配信して、動画も作って、しかも最初の3カ月はフルタイムの仕事も続けてたんですよ。

――退職せずにやってたんですか!?

kson そのくらい本当に、生活できるなんて思ってなかったんですよ。大きな事務所だったので「ご飯くらいは食べられるように」って最低保証額はありましたけど、逆に言えばそのくらい。私も一時的なブームだと思ってたし、元の仕事も嫌いじゃなかったので、3年くらいしたら普通に仕事に復帰するつもりでした。なんなら今でも「さすがにもう続かないかな?」って思ってますし。

 

――ところがコロナ禍で人が外に出られなかったこともあって、VTuberは一気に伸びました。「スーパーチャットが1億円超えで上位を日本のVTuberが独占」みたいなニュースも話題になりました。

kson すごかったですよね。配信を見てくれる人もすごい勢いで増えたし、スパチャも多くて。ちょうどそのタイミングに私も活動を始めたので、すごい体験をさせてもらいました。当時私がいた事務所はスパチャは事務所と演者で半々のことが多かったので、それも含めてかなりバブルだったと思います。

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