「『あ、自分の話で笑ってくれる人がいるんだ』っていうのも新鮮な発見で」
――何か始めるきっかけがあったのでしょうか。
kson 休日に遊びに行く体力も無くて、ゲーム配信を見るのが一番の趣味だった時期が1年くらいあったんですよ。家で見られるし外出なくていいから楽しくて。職場でできた数少ない友達に1人配信好きな人がいて、「じゃあ何人か集めて一緒に動画とか作ろうよ」と誘われたのが最初のきっかけでした。私はすっかりその気になったんですけど、なかなか人が集まらなかったり話が進まなくて、我慢できずに1人で始めちゃったという感じですね。
――最初に投稿した「日本語下手な外人女のSIREN」がいきなりバズったんですよね。
kson 1本目の投稿で多くの人に見てもらえたのは本当にラッキーでしたね。私は両親ともに日本人なんですけど高校までアメリカ育ちだったので日本語が中途半端で、その喋り方や感覚のズレも含めて面白がってもらえて。
――承認欲求は満たされた?
kson めちゃくちゃ満たされました(笑)。厳しい親の反動でずっとゲームは悪いもの扱いだったのに、それを投稿したら「続きが見たい」とか「面白い」とか言ってもらえるんですから。学生時代に人と話す機会も少なかったから「あ、自分の話で笑ってくれる人がいるんだ」っていうのも新鮮な発見で。
――当時はお金にはならなかったんですよね?
kson 私が活動を始めたのはニコニコ動画全盛期の最後くらいでしたけど、まだ「お金になる」とか「仕事にできる」とかは思いつきもしなかったです。逆に「好き」っていう気持ちでやってる人しかいなかったので、あの頃の配信者って今でも結構生き残ってますよね。
「みんなすごいけど、完全にモンスターなのは…」
――確かに第一世代の方は息が長いですよね。長く続けるのも大変だと思うんですが、ksonさんから見て「すごい」と思う方はいますか?
kson ずっと現役の方はみんなすごいですけど、ガッチマンさんとかは完全にモンスターだなって思いますよね(笑)。今でも毎日動画投稿されてて、配信もやってるし、家族もいるのに本当にすごいです。
――配信者として活動するうえで、顔を出すか出さないかというのは1つ大きな分岐点だと思うんですが、ksonさんはいつ頃から顔出しを始めたんでしょう。
kson 結構はやくて、2018年とかだと思います。確かニコニコのイベントに呼んでもらった時に最初は不安で黒いマスクをつけてたんですけど、やっぱり喋りにくいじゃないですか。それで「どうせ知り合いなんて誰も見てないでしょ」みたいな感じで外して、それが最初ですね。