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留学生グループに所属していた様子もなかった

 法政大学に通う留学生の多くは、高尾駅近くの大きな学生寮で暮らしているという。だがユは、別の駅の近くでアパートを借りていた。

「彼女は留学生コミュニティに属していた様子もなさそうだった。特定の誰かと一緒にいるのは見たことがなかったので、『グループ』っていったい何のことを言っているんだろうと思いました。私も彼女のことは避けていたので、もし私が昨日現場にいたら彼女から殴られていたのかなとも思います……」(同前)

 ユは犯行時には黒いパーカーを着ていたという。

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「彼女がスカートとかを穿いていたのは見たことがないです。いつも、地味めな色のゆるっとしたズボンとパーカーをだいたい同じようなコーデで着ていました。しょっちゅうパーカーのフードを被っていた記憶があります」(同前)

 もう一点、ユの普段の行動について重要かつ有名だった特徴がある。

「授業後、まったく関係ないフロアの廊下を何回も行ったり来たりしていたんです。犯行があった金曜日は、彼女はいつも社会学部棟の5階で午後3時20分まで3限目のドイツ語の授業を受けていたんですが、その後、なぜかいつも7階に上がってウロウロしていました」(同前)

事件のあった法政大学多摩キャンパス(FNNプライムオンラインより)

 社会学部棟の7階には12部屋の教室が並んでいるが、ゼミで使用されることが多いという。特定の教員に1部屋ずつ割り当てられているわけではないフリーアドレス式だが、事実上の「ゼミ室」となっているため備品を7階に置いて帰る教員も珍しくないという。

「「実は、ユが犯行に使ったハンマーは、7階にあったものです。ユはそれを朝に持ち出して上着のポケットに入れたまま、3限のドイツ語の授業までは何事もなく受けていたようです。そして午後3時半からの4限目に2階の教室へ行き、凶行に及んだ。ユが、7階にハンマーがあることを事前に知っていたのか、たまたま当日に発見したのかは不明です」(大学関係者)

 前出の記者が言う。

「被害を受けた学生の中には、ユとまったく面識がなかった人もいた。警視庁は、ユの動機について慎重に調べを進めています」

 異国の地で、大きな眼鏡の下の二つの瞳は何を見ていたのか。

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