三島が来監してからの出来事が分刻みで記録
「筆まめで、毎日の出来事を書き留めていた」という順藏さんが1ページ半を費やした“その日”の日記には、三島が来監してからの出来事が分刻みで記録されていた。順藏さんの日記や証言をもとに事件を振り返ってみたい。
11月25日 水曜日 晴11:00 三島由紀夫以下5名来監する
11:02 木村佳枝2曹と自分の2人でお茶を出す。総監室には三島由紀夫以下5名と益田兼利方面総監のみ
11:05 三島以下5名益田総監をしばり日本刀をぬく。乱入するも右手の中指を刀で切られる。益田総監を助けに行くも人質にとられているために助けられず
順藏さんから幾度となくこの日の話を聞いてきた眞知子さんが補足する。
「その日は事前に三島さんの来監予定があり、主人は皆さんにお茶をお出ししたそうです。その時は和やかな雰囲気だったらしいのですが、面会の終了時間を過ぎても誰も出てこない。不審に思った隊員が小窓から総監室を覗くと、益田さんが縛られているのが見えたそうです。主人は掃除用モップを持ち、上官の合図とともに総監室へ突撃したと聞いています」
そして、日記には三島の割腹自殺の真実が綴られていた――。
1月15日12時配信の「週刊文春 電子版」並びに16日発売の「週刊文春」では、三島由紀夫の“最期の瞬間”を見届けた磯邊氏の日記を公開。さらに「三島の血の付いた本」など事件の生々しい様子を伝える秘蔵写真を掲載。当時の日記と家族の証言でよみがえる「昭和の大事件」の全内幕とは?
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