時代劇はシンプルにドラマが迫ってくる

―時代劇主演は2作目になりますが、終わっての感想は?

松坂 本作は幕末の時代設定ですが、演じてみると感情の湧き上がり方は、現代劇と変わらないことが多かったです。むしろ、スマホやネットがないぶん、感情をストレートに出して演じられるんだな、と。時代劇は観る側へシンプルにドラマが迫ってくるのが“強い”気がします。最近では『SHOGUN 将軍』の成功もありましたが、これまでの時代劇という枠だけではなく、現代に通じるものがあるということを知ってもらうために、微力ながら頑張りたいと思っています。

 

杉山拓也=写真
カワサキタカフミ=スタイリング
古久保英人(OTIE)=ヘアメイク

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まつざか・とおり 1988年、神奈川県生まれ。2009年デビュー。『ツナグ』(12年/平川雄一朗監督)で、第36回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。以降、映画、テレビドラマ、舞台と幅広く活躍。『孤狼の血』(18年)で、第42回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞、『新聞記者』(19年)で第43回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞しているほか、『孤狼の血 LEVEL2』(21年)、『流浪の月』(22年)で、第45回と第46回の日本アカデミー賞優秀主演男優賞をそれぞれ受賞。

『雪の花 ―ともに在りて―』
INTRODUCTION
 黒澤明監督の助監督を務め、デビュー作『雨あがる』(00年)以来、一貫して人間の美しい在り方を作品にしてきた小泉堯史監督が、吉村昭の小説『雪の花』を映画化した。実在した町医者である主人公・笠原良策役には松坂桃李。使命感に溢れる人物をひたむきに、力強く演じきった。良策の妻・千穂役に芳根京子。良策を導く蘭方医・日野鼎哉役に役所広司。多くの命を奪う疫病に立ち向い、絶対に諦めなかった男が逆境に直面する姿を描く。

STORY
 江戸時代末期。死に至る病、疱瘡(天然痘)が猛威を振るい、多くの人命を奪っていた。福井藩の町医者・笠原良策は、どうにかして人々を救う方法を見つけようと、京都の蘭方医・日野鼎哉に教えを請う。治療法を探し求めていたある日、種痘(予防接種)という方法があると知るが、そのためには「種痘の苗」を海外から取り寄せる必要があり、幕府の許可も必要だ。実現は困難だが、良策の意志は固くやがて藩、そして幕府をも巻き込んでいく。

STAFF & CAST
監督:小泉堯史/原作:吉村昭『雪の花』/出演:松坂桃李、芳根京子、三浦貴大、益岡徹、山本學、吉岡秀隆、役所広司/2024年/日本/117分/配給:松竹/©2025映画「雪の花」製作委員会