プロデューサーによる深川の起用理由
共演者とは、田口トモロヲ、杉田かおる、松浦祐也、片岡礼子らのこと。そんな錚々たる面々が、村人として杏奈たちを追い詰めていく。
「みなさんが個性をぶつけてくださるので、私たちもオーバーにやりすぎると作品の世界観がカオスになってしまう。なので、そこは杏奈としての自然なリアクションに徹しました」
ちなみに本作の作品資料で、布川プロデューサーが深川の起用理由を「正統派俳優の深川さんが、感情を露わにして叫んだり怖がったりする芝居を見たかった」と語っている。そのことについてどう思うか、最後に聞いてみた。
「私もさっき資料を読んで、そのことを初めて知りまして……。でもたしかに、これまでも何かに追い詰められる役を演じることが多く、関係者の方からも『そういう役が似合うよね』と言われたこともあります。ふだんは感情の起伏が安定しているほうなので、まったく違う顔を見たい! と思ってもらえるのかもしれませんね(笑)」
杉山秀樹=写真
山口香穂=スタイリング
吉田真佐美=ヘアメイク
衣装協力:リツコ カリタ、アペルディエム
プロフィール
ふかがわ・まい 1991年、静岡県生まれ。2018年に主演映画『パンとバスと2度目のハツコイ』でTAMA映画賞最優秀新進女優賞を受賞。主な出演作に『愛がなんだ』(19年)、『水曜日が消えた』(20年)、『おもいで写眞』(21年)、『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』(23年)、『パレード』(24年)など。2024年は「他と信頼と」、朗読劇「HAROLD AND MAUDE」など舞台にも活躍の幅を広げている。
INTRODUCTION
スローライフに憧れて都会から村に引っ越してきた若い夫婦は、静かな暮らしを満喫する。しかし、村には恐ろしい〈掟〉があり、二度と出ることはできないことを知らなかった。日本各地で起きた村八分事件をもとに、“村の掟”の数々をリアルに描く。監督は幅広い作品を手掛ける城定秀夫。主演は、乃木坂46の元メンバーで現在は数々の作品で俳優として活躍する深川麻衣。村人たちに徐々に取り込まれる夫に若葉竜也。住人は杉田かおる、松浦祐也、片岡礼子、中山功太といった実力に定評のある俳優が集結。村を支配する自治会長役・田口トモロヲが不穏な存在感を漂わせている。
STORY
都会から遠く離れた麻宮村に移住してきた杏奈と夫の輝道。親切な村人、美しい自然、ゆっくりと流れる時間。まるで楽園のようなこの村で、仕事に子育てにと夢に描いた充実した日々を過ごしていた。しかし徐々にプライバシーがなくなっていくことに不安を抱く杏奈だが、輝道は自治会長に従順になり麻宮村のムードに染まっていき夫婦はすれ違いだしていく。次々と起こる怪奇な出来事や、どこか底気味悪い村人たち……。得体の知れない恐怖に苛まれ二人は狂気の淵へと追いつめられていく。
STAFF & CAST
監督:城定秀夫/出演:深川麻衣、若葉竜也、松浦祐也、片岡礼子、中山功太、杉田かおる、田口トモロヲ/2024年/日本/99分/配給:ショウゲート/©︎2024映画「嗤う蟲」製作委員会
