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たた 引っ込み思案で話すことも苦手で、なんなら寿司屋のバイト数人の中でさえ仲良くなれないような子が、街で歩いていたら声をかけられたりとか、コンビニで働いていても声をかけてもらえるようになったり。

 中学のころから憧れていた芸能人の方にもお会いすることができたんです! テレビでずっと見ていて「あんな人になりたいな」って思っていた人が隣にいて「頑張ったね」と言ってもらえたんです。奇跡だな、夢は叶うんだなって。全部つながっているんだな、人生に意味のないことはないんだな、って思いますね。

人生を変えたギャルからの「謝罪」

──そう考えると、回転ずしのアルバイト中に「キモい」と言われたところから、少しずつ人生が変わり始めたわけですが、その後その先輩から謝罪のDMが届いたとか。

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たた そうなんですよ。当時バイトが一緒だったイケメンの先輩がいるんですが、その人は今でも時々連絡をくれるんです。自分が本を出したらSNSで「読んで」みたいに宣伝もしてくれて。

 で、その先輩の投稿を見た、「キモい」って言ってきたギャルの先輩が「キモいって言ったの、もしかして私かも。正直、全然覚えていないんだけど、もし私が傷つけてたりしたら本当にごめん」ってDMが長文で届いたんです。でも自分は「違いますよ、でもありがとうございます」って答えました。

──やさしい。

たた 「頑張ってね、応援してるからね」って言ってくれて。ミスター・ゲイ・ジャパンの時も、SNS投票があるんですが、彼女が「投票してください」ってフェイスブックで呼びかけてくれていて、すごく感動しました。

 プラスに捉えれば全部良い方向に変わるんだな、と。正直、昔のことは結構忘れちゃうタイプだし、「キモい」って言われたこと自体、今では本当に何も思ってないんです。だから、ただただ嬉しかったですね。

たくさん誹謗中傷もくるけれど…

──素敵です。動画配信でも誹謗中傷がとても多いそうですが、それも気にしていないとか。

たた そうですね。もともと小さいころは誰からも相手にされなかったわけじゃないですか。だから、誰かに見てもらえていること自体、うれしいんです。家族といてもイケメンの兄の方ばかり褒められたし、自分はスポットライトを浴びてこなかった。回転ずしでバイトしているときも「あいついるの?」みたいな存在だったわけじゃないですか。

たたさんの挑戦はまだまだ続く ©石川啓次/文藝春秋

──日陰の存在だった。

たた そうですね。いてもいなくてもどっちでも良いよねっていう。今まで誰の目にも止まらなかったので、今は誰かの目に留まっていること自体うれしいんですよね。そこは、みんなと感覚が違うのかもしれません。

ーーダイエットで人生を変えた今、次にやりたいことはありますか?

たた 心ない言葉に傷ついたりもしたけれど、優しい言葉に助けられたこともありました。次は、昔の僕みたいに悩んでいる誰かに勇気を与える発信ができるように努力していきたいです。