飲み会に呼ばれなかったことが、逆にうれしい
――有田ジェネレーションは、収録後に有田さんや小峠さんが出演者を連れて飲み会に繰り出し、“説教”をしていることが番組でも明かされていました。ムラムラタムラさんも、そうした会に参加されていたのでしょうか。
ムラムラタムラ 実は1回も参加できていないんですよ。コロナ禍もあったでしょうけど、一緒に出演していたジェラードンさんいわく「有田さんがムラムラタムラを呼ばないのは、ある程度距離を取っておきたいんじゃないか」と。
つまり、演者としてのムラムラタムラが好きで、素のムラムラタムラは見ないでいるのでは、ということですよね。もしそうだとしたら、自分の芸を評価いただいていることですし、すごくうれしいです。飲み会は行きたいですけどね。
――初出演からどんどんと出演を重ねていき、メディアでの露出なども増えていきました。有田ジェネレーション前後では、どんな変化がありましたか。
ムラムラタムラ それまでは自分が誰かをライブに呼ぶのがほとんどでしたが、呼ばれることが増えました。テレビに出演している方とライブで一緒になることも多くなり、営業のオファーも一気に来たので、正直「このまま売れるんじゃないか?」「こんなに一気に変わるのか」と思いました。
実際、アルバイトに行く回数も減っていきましたし。何より、一緒になった芸人から「この前のあれ、見たよ。面白かった」と声をかけられるようになったのもうれしかったです。
リーモコちゃんで、世界に挑戦したい
――あれから5年がたち、当時はフリーとして活動されていましたが、2023年に100company(トーマルカンパニー)とのエージェント契約を結ばれました。この5年で、ご自身にはどんな変化が生まれましたか。
ムラムラタムラ 今は日本国内だけでなく、世界に挑戦したいと考えています。もともと芸人になったきっかけは「こいつ、面白い」と思われたい、「売れたい」みたいな漠然とした感じでした。そこから実際に大阪で芸人になったら「次は東京でやってみたい」、東京である程度経験を積んだここ数年は「自分がどこまでチャレンジできるか試してみたい」と思うようになって、じゃあ世界だろう、と。
そんなとき、当時ホリプロコムでマネジャーをしていた都丸皓介さん(現トーマルカンパニー社長)と収録現場で一緒になって「実は独立して、世界で活躍する人を集めた事務所を作ろうと思っている」と言われました。ものすごい偶然ですが、運命みたいなものを感じて契約して、2024年にはフィリピンに行ったり、国内でも浅草東洋館でインバウンド向けのライブに出演したりと、徐々に世界に向けた活動を増やしています。
写真=山元茂樹/文藝春秋

