高齢者からの献金に涙
――アメリカ大統領選は今でもそうですが、政治献金を集められるかどうかも政治家の力量を計る一つの指標で、大物議員になるためのスクリーニングの機能もありますね。
萩生田 献金額が多いとか、パーティー券が売れるのは、支援者が多くなっている証左です。だけど、それが国民の目に「いやらしい世界」に映ったことは、我々の失敗です。収支報告書に記載して政治活動に堂々と使えばよかったのに派閥の古いしきたりを踏襲してしまいました。
――今回の選挙では萩生田さんに多くの政治献金が集まったと聞きました。
萩生田 普段の倍ぐらいです。地元の人も声をかけ合ってくれたし、全国から「自民党の判断に負けちゃいけない」と献金してくれた人もいた。高額な寄付を届けてくれたおばあちゃんもいました。「とにかくいい国にしてくれればいい。党から公認料が出なくて気の毒だから」と。
――八王子にお住いの方ですか。
萩生田 そうではありません。おばあちゃんなんて言ったら𠮟られますね(笑)。応援してくれていた方の奥様なんですが、「主人が生きていれば、きっと『萩生田さんが困ってるからお金を送ってやれ』と言ったと思うから。私からではなくて天国の主人からです」と。涙が出ました。
(聞き手 青山和弘・政治ジャーナリスト)
※本記事の全文(約9000字)は「文藝春秋」2025年2月号と「文藝春秋 電子版」に掲載されています(萩生田光一「それでも政治にカネは必要だ」)。全文では下記の内容をお読みいただけます。
理不尽だった非公認の基準
執行部の致命的な判断ミス
活動するほどカネはかかる
政治家が育つ仕組みが失われる
選挙とSNSの影響力
石破内閣は何をやりたいのか
参議院自民党はどう動くか
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