たた だから、こういう活動をすると、よく周囲の人から「LGBTQはもう世の中で認知されているのに、なんで発信してるの?」と聞かれるんですが、実際は全然まだまだ認められていないんです。社会も非寛容なままだと思います。
たとえば、男性も利用できるネイルサロンって少ないんですよ。一度、TikTokで「最近あった悲しいこと」という質問に答える動画で、「ネイルができるところが少なくて悲しい」と発信したら、コメントで総叩きにあったこともありました。
このときも「女性が行く店に来るな」みたいな。もちろん都心だと探せばあるんですよ。でも、地方に行くとそんなサロンないじゃないですか。そういったことを発信しただけで、なぜか反発されてしまう現状があります。
──たしかにそれだと地方在住のLGBTQは困るかもしれませんね。
たた ネイル以外にも大した意図もなく、なんとなく女性専用にしているサービスって他にもあるじゃないですか。それがちょっとでも僕たちにも門戸を開いてくれたら嬉しいって気持ちを発信するだけで、「こっちに入ってくるな、だからLGBTQはキモいんだよ」「自分の権利ばかり主張するな」みたいな声をぶつけられるんです。
自身のセクシャリティに気づいたのは中学時代
──ちなみに、たたさんが自身のセクシャリティに気づいたのはいつ頃でしたか?
たた 中2のときです。学校にすごくかっこいい先輩がいて、彼が卒業するときに「第2ボタンがほしい」と思ったんです。先輩はサッカー部で、みんなの憧れでした。だから友達に「あの先輩に第2ボタンもらおうと思うんだ」と言ったら、みんなから「は?」って反応をされて。他の子たちとは憧れの方向性が違ったんです。友達はリスペクトなんですが、自分はラブのほうの憧れだったという。
──(笑)。
たた そのとき「あ、自分はほかの人とは違うんだ。同性へのラブって、自分だけの感覚なんだ」って気づいたんです。でも結局、先輩からはちゃんと第2ボタンをもらえたんですけどね。ボタンからセーターまで全部もらいました(笑)。
──よかった(笑)。それ以降、まわりの子との差を意識するようになったのでは?
