「新宿二丁目にいる子の居場所を作りたい」――そんな思いから、LGBTQにまつわる日常や、考え方についてSNSで発信するのは、総フォロワー数210万人のインフルエンサー・たたさん(35歳)だ。

 自身もゲイゆえに、かつて「将来像を描けない」ことが大きな苦しみだったという彼。ときには誹謗中傷も受けながら、それでも「発信を続ける理由」とは? この国のゲイはなぜ生きづらいのか?(全2回の1回目/後編を読む)

インフルエンサーとして活躍するゲイ男性のたたさん(35歳)。彼がLGBTQの思いを発信する「深い事情」とは? ©石川啓次/文藝春秋

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新宿二丁目で「僕は嫌われている」と思っていた

──最近はダイエット関連の発信だけじゃなくて、LGBTQ当事者のインタビュー動画も発信していますね。

たたさん(以下、たた) ダイエット動画でも自分がゲイであることを明かしていたんですが、あることがきっかけで「LGBTQとしての思いをもっと発信したい」と思うようになったんです。実は最近まで、あまり新宿二丁目には近づかないようにしていたんですよね。

──それはなぜ?

たた 二丁目にいるゲイの中には、僕のようにLGBTQについて発信する人間に対して、“複雑な感情”を抱く人もいるんです。自分は身バレしたくないからヒッソリ生きているのに、なんであいつは表立って発信しているんだ、ムカつくみたいな。

──なるほど。

たた もともと発信を始めたきっかけは、僕のようなゲイ…二丁目にいるような子の居場所を作るのが動機だったんです。でも、嫌われているからゲイが多くいるコミュニティには、あまり近づいちゃいけないなと思ってて。そんなとき、ある友人から誘われて、7年ぶりに二丁目に行く機会があったんです。

 そしたら、それがめちゃくちゃ楽しくて。二丁目で遊んでいた時代に仲良くしていた子とも連絡が取れて、再会が叶いました。そのとき「実は自分さ、インフルエンサーとかやっちゃってんだよね」と今の状況を打ち明けたら、「知ってたよ。頑張ってるなと思いながら見てた」って言ってもらえて。それで「何か一緒にやりたいよね」と始めたのが、LGBTQ当事者のインタビュー動画でした。僕は嫌われていると思っていたので、すごく嬉しかった。

──そもそも「二丁目にいる子の居場所を作りたい」と思ったのはなぜですか?