二丁目にも「ルッキズム」がある

──二丁目にも外見で相手を判断する、いわゆる「ルッキズム」ってあるんですね。

たた ありますし、むしろ顕著かもしれません。一般的な男女の恋愛なら、学校や社会で出会って、顔はタイプじゃないけど考え方が似ていたり、お互いの相性次第でも付き合えるじゃないですか。でもうちらゲイにはそれがないんですよ。出会いのきっかけが顔だけだから。

 昔はSNS経由で出会うことが多かったんですが、アイコンがタイプじゃないと基本連絡は取りません。中身から入る出会いは…ほとんどない。でも、それって悲しいじゃないですか。ゲイの世界も性格や人となりを通じて、仲良くできる世界にしたいと思ったんですよね。

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──どうやって変えようとしているんですか?

たた ゲイたちは異常なもの…まだまだ世の中はそんな認識じゃないですか。僕の発信を通じて、「もしかしたらうちの会社にもLGBTQの人がいるかも」「それが当たり前の世の中なのかも」って思ってもらうことが近道かなと。

「まだまだゲイは異常なもの扱い」©石川啓次/文藝春秋

──カミングアウトは本人の自由にせよ、まず社会の一員であることを知ってほしいと。

たた そうですね。まだ「自分のまわりにはいない」って思われている気がします。最近は、LGBTQも受け入れると言ってくれる人も増えてはきましたが、それもテリトリーを侵さない程度だったりするんですよね。実は最近も「トイレの問題」について、発信したらものすごくバッシングが来て。

──どんなバッシングが?

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