自身のセクシャリティ(性的指向)に気付いたのは中学時代…同級生とは話が合わず、10年近く続けた野球をやめたことも。ゲイでインフルエンサーのたたさん(35歳)がこれまで生きていくうえで、衝突した「LGBTQが認められない」日本で生きることの困難とは? インタビューの後編をお届けする。(全2回の2回目/最初から読む)
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SNSで「バッシングを集めた」投稿とは?
──「LGBTQとトイレの問題」について発信したら、かつてバッシングを受けたというたたさん。どんなことを言われたんですか?
たた インフルエンサー活動である場所に行ったとき、スタッフさんにトイレの場所を聞いたんです。すると、その人は僕がゲイであることや、活動内容を知ってくれている人だったので、「(男性用トイレ、女性用トイレの)どちらでもどうぞ」って案内してくれたんです。
彼のことを肯定的に捉えた感想をSNSに投稿したら、めちゃくちゃ批判的なコメントが集まって。「そのスタッフは頭がおかしい」「男が女子トイレに入ってくるな」とか。実際は男子トイレに入ったし、女子トイレに入ったなんて一言も投稿していないんですよ。そこで気付いたのが、僕たちLGBTQがそうじゃない人のテリトリーを侵すと思われたら、批判されるんだって。
たとえば、僕が「ゲイはキモいって言われて、悲しい」とか発言すると、「そんなことないよ」「私は応援しているからね」など応援コメントがたくさん届くんです。でも、女性側のテリトリーに入りかけると排除されてしまう。
ちょっと意地悪な見方ですけど、応援コメントをしてくれるすべての人がゲイやLGBTQを受け入れてくれているわけじゃなくて、中には僕たちのような少数派を応援することで「そんな自分が素敵」と酔っている人もいるんじゃないかなって。それくらい反応にギャップがあるんです。
──自分に迷惑がかからない範囲でなら、応援すると。