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内田氏を社長に選んだ“思惑”とは?
そのような人物が、なぜ社長に選ばれたのか。そこにはルノーの思惑があったと言われる。
2019年9月に西川廣人社長が報酬問題で辞任したため、日産の指名委員会は次期社長の選定に入った。当時専務だった関潤氏で一度は決まりかけたのだが、ルノーのスナール会長が待ったをかけた結果、なぜか内田氏が社長に選ばれたのだ。ルノーは能力の高い関氏よりも内田氏のほうが御しやすいと見たのではないか。当時のルノーは43%の大株主。その意向は重いものだった。
一方の関氏はその後、台湾の鴻海精密工業に入り、電気自動車事業の最高戦略責任者となっている。今回のホンダと日産の経営統合交渉に先立って、関氏はルノーが保有する日産株の買い取りを打診している。
このほか、ホンダと鴻海が日産を取り合う理由、日産が深刻な経営不振に陥った原因などを詳述した井上氏のレポート「日産鈍感力社長にいら立つホンダ暴れ馬社長」は、月刊文藝春秋3月号(2月10日発売)、および月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」(2月9日先行公開)に掲載されている。

出典元
【文藝春秋 目次】芥川賞発表 安堂ホセ「DTOPIA」 鈴木結生「ゲーテはすべてを言った」/フジ日枝代表への引退勧告/東大病院の先生が教える大腿骨骨折
2025年3月号
2025年2月10日 発売
1750円(税込)