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首相と加計理事長の面会は架空?

 次に登場したのがこちらの「ギョッ」である。

「『首相面会、言ったと思う』 加計事務局長 今治市にも謝罪」(毎日新聞6月1日)

 安倍首相と加計学園・加計孝太郎理事長の面会は架空だったとするコメントを公表したことについて「やっと」加計学園の動きがあった。学園の渡辺良人事務局長が31日、愛媛県庁と今治市役所を訪れ、謝罪した。

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 しかしそのあと渡辺氏はマスコミに「その場の雰囲気で、ふと思ったことを言った」「たぶん自分が言ったのだろうと思う」と説明した(朝日新聞夕刊5月31日)。ギョッとする。

 さらに今週は財務省による森友学園をめぐる文書改竄や交渉記録廃棄の調査報告が発表された。

 産経新聞は麻生太郎財務相の会見をうけ、

「麻生氏 動機は人ごと?」(6月5日)と書いた。

 麻生氏は文書の改竄や廃棄に至った理由を問われ、

《「それが分かりゃあ苦労しない。そこが一番関心があるところ」と人ごとのように言及。「その場の雰囲気、よくいう空気ってやつがそうだったのかもといえば、それまでなんでしょうけど」と付け加えた。》

 あ~、ここでも出ました、「その場の雰囲気」!

 加計学園の事務局長とまったく同じことを言っている!

 ギョッとする。そろいもそろってすごいこと言ってないか?  え、なんでもっと大騒ぎにならないの?

加計学園・加計孝太郎理事長 ©浅沼敦/文藝春秋

政界地獄耳いわく「1億総ゆでがえる時代」

 日刊スポーツのコラム「政界地獄耳」(6月1日)は私たちの責任も問うた。

「社会のルールや約束事、社会の常識を逸脱し、自分勝手な理屈を正当化」することが時の首相や現職閣僚、アメフト大学日本一の監督に許されている、と。

《国民は今まではそんなことは許されないと思っていたが、許される時代が来たのかと勘違いする。しかしその身勝手な行為は権力者だけが許される特権のことで国民には適用されない。そこを国民はわかっていない。》

 自分勝手な権力者の振る舞いに慣れてしまうと国民はそれが社会の常識と思うようになる、と。

 地獄耳師匠は次の言葉で結んだ。

《やり放題を誰も気に留めない。あきらめることに慣れてしまう。今は1億総ゆでがえる時代なのだ。》

 はめがはずれてしまい、反則でもゆるされる現実が本当に「本当」となっていく。ゆでがえるにならないためにはいちいちギョッとしてツッコんでいくしかない。

 悪い冗談にはそう対応するしかないのだ。