『Air/まごころを、君に』現用兵器と超兵器的ロボットの戦い
太田 旧劇場版『Air/まごころを、君に』で「エヴァ弐号機」が大活躍するシーンがあるじゃないですか。あれは現用兵器と超兵器的なロボットの戦いの究極バージョンかなっていう。あれを超えるものはないんじゃないかと思うんですけど、どうですかね?
小泉 とも思いますし、あの時って弐号機がゴジラとかキングコングみたいな役割になっているんです。もともと使徒が、自衛隊の兵器で迎撃されるし、伝統的に我々は、「我々が知っている通常兵器で攻撃されるほうがモンスターである」というふうに思ってますよね。僕はだからすごくあのシーンで、相手が普通の我々が知っている兵器だからこそ、あの時、アスカが本当に修羅のようになっているという感じを強く持ちました。今、自分が女子中学生の親になってから観ると、アスカがかわいそうでかわいそうでしょうがない。本当に。あの時、レイ派だのアスカ派だの言ってたわけですけど、親の目になってみると、もう辛いんですよ。
太田 僕あれね、劇場に行きましたけど、みんなが最後お通夜みたいになって出てくる。
小泉 なりますよ。あんなもん。
『エヴァ』劇場版・テレビ版の終わり方
高橋 しかも『エヴァ』って同世代的に言うとテレビ放送があって、そのあと、30分で終わった劇場版(『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生』「REBIRTH」)があったうえであの終わり方でしょう。で、テレビ版の終わりって、僕けっこう好きなんです、じつは。
小泉 あれ好きって人初めて見ましたよ(笑)。
太田 ポカーンと見てるしかなかった。
高橋 けっこう好きで。『新エヴァ』観た時にああ、これってあの時の24話25話のリメイクなんだなと思った。
小泉 あの時にシンジ君が「おめでとう」ってやっている外で、何が起こったかって話ですね。「すべてを語るにはあまりにも時間が足りない」から。
高橋 そうそうそう。
太田 全然変えてはいないんですね、方針を。
高橋 『シト新生』のラストで量産機が降りてきて、「魂のルフラン」。これもけっこう好きなんだけど。
小泉 「♪私に還りなさい~」になっちゃうところが、投げっぱなしでまたいいんですよ、あれ(笑)。
高橋 あの直後に富士の総合火力演習行って、空挺部隊が降りてくるところで、あ、量産機! ってつぶやきたくなるわけ。