「理想の夫」は大嘘つきの性依存症だった――。
友人の紹介で知り合った男性と結婚した、くさのねむさん。優しく穏やかだと思っていた夫は、残業ばかりでくさのさんの出産時にも連絡が取れず、生活費も入れなくなっていったという。
さらに、生まれてきた我が子は世界で30人以下しかいない希少性疾患を持っていた。くさのさんは夫を信じて貯金を切り崩しながらワンオペ育児を続けていたが、ある時、彼のカバンから見覚えのないコンドームと精力剤を発見してしまう。
くさのさんが問い詰めると、夫の性依存症が発覚。夫が関係した人数は、なんと520人にも上るという――。
これは全て、くさのさん自身がSNSで発信し続けている実体験だ。くさのさんのアカウントには多くの反響が寄せられ、2025年1月28日にはコミック『それでも家族を続けますか? 難病児のワンオペ中に、夫が520人と不倫してました』(KADOKAWA、漫画:あらいぴろよ)として書籍化され、さらに話題を呼んでいる。
ここでは、くさのさん本人に夫の不倫が発覚したときの思いや一番許せないこと、SNSでの反響の大きさや書籍化についてなどを詳しく伺った。
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「まさかこの人が」520人との不倫が発覚
――SNS投稿やコミックで描かれた、くさのさんの実体験はとても衝撃的でした。最初はとても良い人だと思っていた夫さんに、違和感を感じ始めたのはどんなときでしょうか。
くさのねむ(以下、くさの) 夫は本当にいつでも感情がフラットで、愚痴ひとつ言わない落ち着いた人でした。
一緒に暮らすうち、早朝から深夜まで働く激務っぷりにもかかわらず、疲れたりイライラする様子がないのでおかしいと感じ始めました。
何度か「どうしてそんなに忙しいのにいつも冷静なの? ストレスがたまらない?」と聞いたら「そうでしょ、偉いでしょ」と答えたので、それを発散する方法はあるんだろうけど、その方法に全く見当がつかないので、何か裏があるのだと思いました。
――なるほど。その時はまだ「疑い」レベルだったのが、スマホの怪しい通知やカバンに入っていたコンドームと精力剤を発見して、確信に変わってしまったんですね。大勢の女性たちとの不倫が発覚したときは、どんなお気持ちでしたか。
くさの 結婚の決め手のひとつに、夫は「女性とのコミュニケーションが苦手」に見えたこともありました。真面目で奥手なら、絶対浮気はしないだろうと。
これは結局、女性とちゃんとした関係性を築くという段階を、金を出してすっ飛ばしていたからコミュニケーションが身についていなかった、ということだったんですけど……。夫の中に「女性を金で買う」という選択肢があることを想像もしていなかったので、本当に驚き「まさかこの人が」と思いました。
――夫が女性相手に値段交渉しているLINEを見てしまった……というのも驚きました。しかも520人ですもんね。相当、耐えがたかったのではないかと思います。