俳優・橋爪功(83)を父に持つ橋爪遼(38)。2017年6月、覚醒剤取締法違反で逮捕された彼が、薬物依存からの回復と新たな人生について語った。
「ああ、人生終わったな」逮捕の瞬間に抱いた率直な思い
「高知(東生)さんは、逮捕によって解放された的なことをお話しされているじゃないですか。僕の場合、その感覚はなかったですね」と橋爪は逮捕時を振り返る。当初は「ああ、人生終わったな」と思ったという。
橋爪は20代前半から薬物使用を始め、5年間使用を続けていた。
「仕事の前には絶対やらないとか、自分のなかで決めていたことがあって。それを守ってればいいじゃん」と、自分なりのルールを設けていたという。しかし、そのルールが意味をなさないことを、逮捕を機に痛感することになる。
逮捕後、留置所で母親と面会した際の記憶は鮮明に残っている。
「ドラマや映画でよく見る、あの面会室の窓。あれ越しの親を見るというのは、絶対に経験してはいけないものだなって強く思いましたね。2度と窓越しの親は見たくないです」と、その時の思いを語った。
奈良にある依存症回復支援施設に入所し、初めてアルバイトも経験
保釈後、橋爪は奈良にある依存症回復支援施設に入所。
「とにかく、遠くへ逃げ出したい」という思いが強かったという。施設では3段階12ステップのプログラムを受け、最終的には就労も経験した。
「最初にカリキュラムがあって、そこから1段階、2段階、3段階と進んでいって。全部で12ステップのプログラムになるんですけど、2段階までは依存症にまつわる学習ですね。で、3段階が就労でバイトをするんです」と、プログラムの内容を説明した。
就労先では自身の経歴を明かすことが求められた。
「自分から薬をやってたことを話すんです。実際、面接で話して、採用されるとうれしいんですよ。ちゃんとプログラムを受けて、回復しているのを認められたって気がするんです」と、その経験が自尊心の回復にもつながったと語る。
約6年ほど奈良で過ごした橋爪は、薬物から完全に離れることができた。現在は、依存症問題の啓発活動にも取り組んでいる。
「依存症になってしまっても、治療できるし、回復できるわけですから。横一列になって、そこに目を向けながら、進めたらなって気持ちですね」と、同じ経験をした人々へのメッセージを送った。
2024年には、映画『アディクトを待ちながら』で俳優業を再開。自身の経験を活かしながら、新たな人生を歩み始めている。
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