長女の希空(17)がインフルエンサーとして芸能界デビューし、あらためて辻希美(37)の子育てぶりに注目が集まっている。2000年4月に当時12歳でモーニング娘。に加入し、今年でデビュー25周年。4児の母となった彼女の歩みを振り返る。(全2回の2回目/はじめから読む)
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「ママゴト婚」「すぐに別れる」という声も
長女の希空を儲けてからというもの辻希美は約1年間、ほとんど育児にかかりっきりで、悩むことも多かった。しかし夫の杉浦太陽は仕事でなかなか家に帰ってこられない状況が続き、親や友達とも離れて暮らしていたため相談できる相手がおらず、しだいに追い込まれていく。そんな彼女を孤独から救ってくれたのが、出産後1年あまりが経った2009年1月に始めたブログだった。同じく子育て中の母親たちからリアクションをもらううち、「自分は一人じゃないんだ」と気持ちが楽になったという。
もっとも、世間からの反応は好意的なものばかりではなかった。結婚当初より「ママゴト婚」「すぐに別れる」という声があり、ブログを始めてからは更新のたびに心ないコメントがついた。そうした反応について本人は後年、《自分のことを言われる分にはいいんですけど。娘や家族のことを悪く言われるのはきつかった》と顧みている(『週刊文春WOMAN』2020年秋号)。
さすがにたまりかねて「もうできない、ブログをやめたい!」と事務所に言ったことも何十回とあったという。《でも、「じゃあ、やめればいいんじゃない?」と言われると、負けず嫌いの性格が出てきて、「いや、やめたら負けだ。やってやろう!」って、妙な火がついてしまう。その繰り返しでした》と、結局ブログをやめることはなかった(前掲『大好きな人と結婚した、その後。』)。
第2子出産に合わせて実家の近くに引っ越し
彼女がそう思い直すことができたのには、2010年に2人目となる長男の出産に合わせて自分の実家近くに引っ越し、親がそばにいるという安心感を得たことも大きかったようだ。夫の杉浦もこのころを境に、家事や育児に関してそれまで以上に積極的に取り組んでくれるようになったという。
2度の離婚危機を乗り越えたワケ
じつは離婚の危機もこれまでに2度あったと、エッセイ『大好きな人と結婚した、その後。』(講談社、2021年)で明かしている。最初は希空を産んだ直後で、先述のとおり孤独感からパニックに陥ったのをブログを始めることで乗り越えられた。続く危機は2人目の出産直後に訪れ、このときは夫婦で改めて本音で話し合い、彼女が杉浦に上手に甘えることができなくなっていたと気づくと、彼も辛かったら甘えてほしいと受け入れてくれたおかげで離婚を回避できたという。