犯罪の前兆は男が小学生のときからあった…酔った女性に睡眠薬を飲ませるという悪辣な方法でわいせつ行為を繰り返していた33歳、派遣社員の男性。小学3年生のときから複数回にわたるトラブルを起こしていたという男の人生とは? ノンフィクションライターの諸岡宏樹氏の著書『実録 性犯罪ファイル 猟奇事件編』(鉄人社)より一部抜粋してお届けする。なおプライバシー保護の観点から本稿の登場人物はすべて仮名である。(全3回の1回目/続きを読む)
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小3のときから問題行動を繰り返していた犯人
橋本洋介(当時33)は生まれてすぐに母親に逃げられ、父親も誰か分からない。5歳まで児童養護施設で過ごし、里親に引き取られた。
そこで“兄弟”になった里子が3人いたが、9歳年上の姉のロングヘアーに心惹かれ、それを触っているときだけ安らぎを覚えた。
それが高じて小3のとき、同級生の女子の髪を切るという“事件”を起こした。里親は厳しく叱責したが、その後も女子の私物を盗むといった問題行動を繰り返し、中学に入ると、女子のジャージを盗むという“事件”を何度も起こして、里親にサジを投げられた。
「もうお前は帰ってこなくていい。もともと血のつながりはないんだ。私たちはもう、お前の面倒は見られない!」
橋本は13歳から教護院で過ごすことになり、もうどんなに謝っても里親は許してくれなかった。
「自分がうまくいかないのは里親のせいだ」と恨むようになり、何でも里親のせいにするようになった。
高校に入ると、通学中の電車の中でポールに股間を押し付けながら、乗客の女性の髪の毛を触るという独特の自慰行為を始めた。17歳のときには電車内で女子高生の髪を切るという“事件”を起こし、警察に突き出されたこともあった。
これだけの“予兆”を示しながら、少年院などで矯正教育を受けることもなく、橋本が正しい方向へ導かれることはなかった。
社会人になると、週末ごとに始発電車に乗り、酔いつぶれている女性を探し、隣に座って髪を触るという行為を繰り返すようになった。付き合っている女性がいても、それだけはやめられなかった。
ある日、橋本は自分と同じように酔った女性に狙いを定めて、わいせつ行為を繰り返している男から写真を見せられた。そこには眠ったままハメ撮りされている女性の姿が写っていた。

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