ーーそうした生活をしながら、あにおさん自身はどうなりたいと考えていたんですか。

あにお 喫茶店で働きながら「グラビアしたいな」って思ってました。ずっと胸は大きかったので、中学生ぐらいからコンプレックスだったんですよ。でも「これだけ胸があれば、誰か一人ぐらいはグラビアさせてくれるんじゃないか」と思っていて。

 でも、同僚に「できないと思うよ」と反対されました。当時は髪が紫色だったので。

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 喫茶店のマスターと気が合わなくて、次のバイトを探そうと黒髪にしたタイミングで自撮りの写真をTwitterにあげたら、すごくバズって。そうしたら「週刊プレイボーイ」から「グラビアをやりませんか」と連絡が来て、初めてグラビアをやることになりました。編集者さんには「橋本環奈に似てるね」とか言われて「いや、身長だけでしょ」とか思ったけど、すごい嬉しかった。

本人インスタグラムより

 ちょうど同じ頃、Twitterで私を見つけた前の事務所の人から「事務所に入りませんか?」と最初に連絡が来ました。自分に合う芸能事務所がないだろうなとは思っていたんですけど、だったらせめて有名なところがいいかなと思って入りました。

 事務所の人は優しくてみんないい人だったんですけど、ある日、事務所の人と食事をした時に「君はちょっと変わっているから自己プロデュースがいいんじゃない」と言われて。向こうも扱いに困ってたんだろうなと思います。

本人インスタグラムより

「私には男の人が好きな王道のグラビアはできない」

ーーあにおさんのファンは女の子が中心です。グラビアをやりながら女の子のファンが多いのはすごいですよね。

あにお ミスiDの頃からずっと女の子のファンが多くて、逆に男の子のファンがあまりいないんですよ(笑)。前の事務所に入っている時も「グッズの売り上げがみんな女性だ。男のファンをもっと増やさないと」と言われて。髪も事務所に言われた通り黒髪にしたけれど、結局女の子のファンばかりがめっちゃ増えていくし「あれっ? 話が違うぞ」って。

 もともと私は派手髪であったり、自分の好きな格好でグラビアを表現したくて。それで絶対かっこいいものが作れる自信があったんです。でも周りからは「無理だよ」と100%言われるんですよ。それで言う通りに黒髪にして頑張ったけれど自分の良さが消えちゃう気がして。

 グラビアで表紙を飾る王道の子って、やっぱり学校でモテるタイプなんですよ。大きな撮影会でグラビアアイドルの子が100人くらい集まると、みんな楽屋での会話もモテ系で。逆に私は生きてきて、男の人から嫌な目に遭ったことがすごい多かったので「この人たちと全く来た星が違うんだ」と感じてました。

©三宅史郎/文藝春秋

 髪色をモテ系に寄せても、結局男の人にハマらないし「私には男の人が好きな王道のグラビアはできない」と悟って。でも、今のままじゃ自分が作りたい、みんなをあっと言わせるグラビアを作れないなと思って、最初の契約の2年が終わったあとに事務所を辞めさせてもらうことにしました。

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