日本の歌謡史における「彼女の存在」とは?

 それにしても、日本の歌謡史における藤の存在意義とは何だったのだろう。育ての親であり、人生の辛酸をなめた作詞家・石坂まさを(1941-2013)との出会いと絆。

 宿命的に苦労を背負っていた女性といえるだろうが、やはり「影の濃さ」が藤の藤たるゆえんだったのではないか。伝説となって語り継がれるスターには「陰影」がある。放たれる光が強いほど、その影は濃い。どうも最近の芸能界は影の濃い人が少なくなった。

 降り注ぐスポットライトの中で直立して歌う姿がまぶたに浮かぶ。まるでガラスケースに入った人形のようだった。だが人形は、最後は自らの運命を自分で決めた。「自死」という結果で幕を下ろした。

ADVERTISEMENT

◆◆◆

【厚生労働省のサイトで紹介している主な悩み相談窓口】

▼いのちの電話 0570-783-556(午前10時~午後10時)、0120-783-556(午後4時~同9時、毎月10日は午前8時~翌日午前8時)

▼こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556(対応の曜日・時間は都道府県により異なる)

▼よりそいホットライン 0120-279-338(24時間対応) 岩手、宮城、福島各県からは0120-279-226(24時間対応)

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。