河野氏は「問題から目をそらすことになるだけ」と…

・「『外国人に保険医療を受けさせるな』では問題は解決しませんし、問題から目をそらすことになるだけです」(河野氏ブログ・2月16日)

河野太郎 ©文藝春秋

「3ヶ月を超えて日本に滞在する外国人は、社会保険ないし国民健康保険への加入が義務付けられ、病院にかかる必要があろうがなかろうが保険料を支払う。それは結果的に医療制度を支えている。『現役世代』を『外国人の医療費』が圧迫しているわけではない。乏しい社会保障政策こそが問われている」(山添氏X・2月16日)

 メディアでは日刊ゲンダイが『国民民主党・玉木雄一郎代表「外国人は数万円で1.6億円の治療」は“排外主義”煽るミスリード』(2月18日)と書き、東京新聞「こちら特報部」は外国人の人権擁護に取り組むNPO法人代表の以下のコメントを載せた。

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「高額療養費の負担軽減を議論する場面でなぜ突然、外国人の利用の問題が出てくるのか。国政政党の代表者が根拠のない発言で問題をすり替えることで差別を呼ぶ。日本社会のさまざまな不満を特定のマイノリティーに向けようとしている」
 
 玉木氏のSNSにはメディア批判もある。時には支持者に「マスゴミ批判」の笛を吹いているような振る舞いもある。そう、冒頭で紹介した「国民民主党の悪口を書けとの依頼が出ている」という発信も同様にみえる。

 こうすることで玉木氏や国民民主に対する論評ですら「悪口」と言い換え、すべて仕組まれたものとして誘導してないだろうか。103万円の壁を人質に取り、生活を少しでも楽にしたい人々をSNSで煽っていないか?

 こうした手法をどう考えればいいのか。朝日新聞に参考になるものがあったので取り上げよう。

『人を見下す態度と自尊感情、少数派への非寛容が動かした選挙結果』(朝日新聞2月10日)で注目したのは、自分たちはマジョリティとして十分な利益を享受していないのに、マイノリティはその立場を逆手にとって利益を得ていると考える一部の有権者の心理的態度だ。立教大学教授の木村忠正氏が解説している。