彼の悪行は駅内での盗撮だけじゃなかった…。警察がスマホを解析した結果、麻酔で昏睡した手術中の女性患者たちに対する女性への盗撮行為が露見した40代医師。その卑劣な犯行手口を、ノンフィクションライターの諸岡宏樹氏の著書『実録 性犯罪ファイル 猟奇事件編』(鉄人社)より一部抜粋してお届けする。なおプライバシー保護の観点から本稿の登場人物はすべて仮名である。(全3回の2回目/最初から読む)
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警察がスマホを解析→“患者の盗撮”が露見した医師
「何だ、これは!」
「……」
ますます押し黙る山下。
「病院のガサ状を取って、調べてみるしかないな」
山下の職場などに家宅捜索が入り、次々と資料が差し押さえられた。
山下は「iCloud」と呼ばれるインターネット上のサービスに動画を保存しており、その撮影日時と手術日時を照らし合わせたところ、被害者が次々と特定されることになった。
単なる盗撮事件は前代未聞の現役医師による“手術中の盗撮事件”に発展した。
最も古いものは1年半前のもので、仰向けに寝た女性が乳房や陰部を露出させられ、全身麻酔された状態で撮影されていた。カルテと照合した結果、被害者は36歳の女性患者と判明した。信頼している病院でこんな被害に遭うだけでもホラーというべきだ。
さらに当時中1だった12歳の少女も被害に遭っていた。全身麻酔をかけられ、仰向けに寝た状態で胸部を露出させられ、動画で撮影されていた。
山下は「iCloud」上で、スローモーションにして編集していた。
39歳の女性患者も同様に全身麻酔をかけられ、動けない状態で乳房や陰部を露出させられ、動画で撮影されていた。
彼女は警察で動画を見せられ、「自分に間違いない。手術の同意書は書いたが、こんな行為は同意していない」と激怒した。