麻酔で昏睡させた女性患者への盗撮行為が明らかになった40代医師の山下(仮名)。手術室にはほかのスタッフがいたにもかかわらず、どうやって女性たちの動画を盗撮したのか? そして山下にくだされた罰とは? 同事件の結末をノンフィクションライターの諸岡宏樹氏の著書『実録 性犯罪ファイル 猟奇事件編』(鉄人社)より一部抜粋してお届けする。なおプライバシー保護の観点から本稿の登場人物はすべて仮名である。(全3回の3回目/最初から読む)

写真はイメージ ©getty

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手術中の盗撮行為で逮捕された「問題医師」のその後

 その後も再逮捕を繰り返すことになり、結果的に7人の女性に対する迷惑行為等防止条例違反や児童ポルノ製造の疑いで逮捕された。

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 山下のせいで不祥事に巻き込まれた病院は、病院長が記者会見を開き、「被害に遭われた患者さん、そして国民の皆様に心よりお詫び申し上げます。患者からの信頼を裏切るあるまじき行為で、スタッフへの教育を徹底するとともに、厳正に対処する」と謝罪した。

 今後、医師らが手術室にスマホを持ち込む際には、適切な使用をするとした誓約書への署名を求め、一定の場所に置くなど、再発防止に努めるとしているが、周りのスタッフが誰も犯行に気付いていなかったのは摩訶不思議である。

 山下はどのようにして犯行を成功させたのか。