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現役医師による盗撮事件に残されたナゾ
山下の犯行は早業のようなものだったに違いない。大勢のスタッフがいる中で、1人になるタイミングを見計らい、素早く患者の手術着を脱がし、スマホを顔からバスト、陰部へと下ろしていく。バストを舐めるように撮影し、むき出しの股間にレンズが向かうと、女性器の形がハッキリと分かるように接写する。
何食わぬ顔で手術を終えた山下は、患者にお礼を言われながら、その裏では自分が撮った盗撮映像を編集し、「iCloud」に保存して、何度も映像を見返していたのだ。まるでジキルとハイドである。
山下は日本耳鼻咽喉科学会、日本頭頸部癌学会、日本頭頸部外科学会、日本口腔咽頭科学会という4つの学会に所属していて、毎年のようにがんに関する論文を出しており、病院内での評判も良く、「先生、いつ休んでるの?」というぐらい、小まめに患者の様子を見に来る医師として知られていた。
ところが、その裏の顔は「常習と言うしかない」というほどの筋金入りの盗撮魔で、もちろん余罪は立件された7人だけではない。
