ーーそれは、やっぱり北海道でやることに意味があるんですか。
アンヌ 地方にいると、東京に一極集中しすぎていることも実感します。地方でいろいろなことを起していければ、本当に日本全体が元気になっていくと思うので、できれば北海道の女子大で教鞭を取れるようになれれば最高だなと。それが長い目で見た目標です。
「いままさに、とがっていたせいで失ったものを取り戻しているところなんです」
ーー昨年、離婚も経験されたそうですが、意識の変化がすごいです。
アンヌ そうですかね?(笑)今、私は、独身で、職業的にもフリーランスです。
実家で愛犬とのんびり暮らしていますが、将来愛犬に何かあったときのためにも、いっぱい仕事をしてお金を貯めて、備えておきたいと思うんです。
そういう話をすると、「結婚しないんですか?」と言われることがいまだにあるんですよ。日本はまだまだ、独身でフリーランスの女性が1人で生きていくには不安定で、周りからもそう思われがちなんです。結婚は好きな人と一緒にいたいからするものなのに、安定した暮らしを得るべく結婚しなくちゃ! というのはちょっと淋しすぎるのでは? なんて、ナナメに物事を私は見てしまいますが。
独身女性に対して「結婚しないの?」と聞いてしまう、その発想を変えるには、政治がもっと頑張ってほしいと思うんです。70歳でも80歳でも、将来に無駄な不安を抱くことなく、誰でも1人で生き生きと暮らしていけるような社会にするのが政治の責任。100%自己責任とは言い切れないとも思うのですが。
ーーもう、とがっていないですか?
アンヌ ノーとがりです!(笑)
どんな人とも会って、お食事をしたり、お話をして、つながりを持つことは、何事にも代え難い学びにつながる。もちろん、本を読んだり、映画を観たりするのもいいんですが、生身の人間とカンバセーションをすることがもっとも大事なことだと、この年になってようやく気づきました。
札幌に住むようになって、友達が一気に増えて、ちょっと自分でもびっくりしているくらい。ランチに行こうとか、飲みに行こうとか、『セックス・アンド・ザ・シティ』のように、女同士で助け合って楽しむことに目覚めました。だからいままさに、とがっていたせいで失ったものを取り戻しているところなんです。
あのままTBSに勤め続けていたら……いろいろ考えることもありますが、居心地の良い、大好きな恵まれた環境に身を置き続けていたら、さらにとがって、周りの方に甘えて、もっと嫌な奴になっていたんじゃないかと思うんです。
今年で「アラフォー」から「ジャストフォーティー」になりますが、20代のアナウンサーがあたふたしているのを見ると「大丈夫、どうにかなるよ」ってなんとか助けてあげたいと思ってしまうようになりました。余計なお世話かもしれませんが(笑)。たくさんの方にご迷惑をおかけしておきながら図々しいんですが、私、本当にまるくなりました。なかなかいい奴になったと自分では思ってますが、どうでしょうか?(笑)
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