ーーアナウンサーのアンヌ遙香さんを見たい方も多いと思います。

アンヌ 実は4月からSTV『どさんこweekend』(NNN系列 北海道5チャンネル)という、週末朝の情報番組のメイン司会を務めさせていただくことになりました。

アンヌさんがメイン司会を務めるSTV『どさんこweekend』(NNN系列 北海道5チャンネル)

 北海道のレジェンド木村洋二さんと双璧をなすともいえる明石英一郎アナウンサーとともに、北海道に寄り添った情報をお伝えしていきます。フリーアナウンサーとしてこのような場に立たせていただけて本当に本当に幸せで、ワクワクしています。

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「北海道のアナウンサー」の仲間に入れていただけたことがとにかく光栄で、北海道のために働くぞ! と燃えていますよ。

 BBCを見ていると、また報道のお仕事ができたら素敵だなと思うこともあります。年齢を重ねた女性キャスターが番組の顔となってニュースを伝えていくという文化は、フェミニズムの観点からも絶やしてはいけないと思いますし、もっと増えてもいい。とはいえ、必ずしも私がキャスターをやらなくてもいいんです。テレビ以外のメディアでもいいし、北海道や地方からでもできますから、いずれ何かできたらいいなと思います。

 それと、実はこの4月から、北海道大学大学院博士後期課程に進むことになりました。

 

将来の野望は北海道で女子大の先生になること

ーー以前学んでいた日本美術史の研究ですか? 根っからの学究肌というか、勉強が本当にお好きなんですね。

アンヌ そうかもしれません。女性が視覚的にどのように表現されてきたかという、ジェンダー日本美術史を研究して博士論文を書きます。

 私の祖父は北大で雪の結晶を研究する物理学者だったんですが、北海道に住んでいると、気象が身近な酪農や畜産、漁業関係などあらゆる方から「小林禎作先生のお孫さんだったんですね」と言われることがよくあるんです。祖父がいまも尊ばれているのが嬉しいし、私や私の家族にとっても北大は特別な存在で、自分も北大へという夢を叶えたいと一念発起しました。

 それと中高の社会科の教員免許を持っているので、中学生に社会科を教える講師業もしています。子どもに教えることで、先生をしている私の方が気づきが得られ、本質的に社会を学ばせてもらっているんです。これはテレビの仕事にも、文章の仕事にも確実につながるんですよ。

 ウェブで書かせてもらっている映画のコラムも、もっとフェミニズム的な論調を強めていきたいですし、将来的な野望は、北海道で女子大の先生になりたいんです。

愛犬リリーと

ーー大学の先生でなく、女子大ですか! どんどん出てきますね。

アンヌ 子どもの数も、女子大の数も減っていますが、私のメンタリティを形作ったのは、12年間、女子校に通ったことによると思うんです。

 共学だったら、高いところにあるものを取るのも、重たい物を持つのも男子にやってもらいますよね。ジェンダーロールについては賛否両論ありますが、女子校ではなんでも女子だけでやってきた。これだけ自由に気ままに言いたいことが言えて、おかしなことははっきりと指摘できるようになったのも、異性の目がない女子だけの環境で育ったことで、自然と自立心が養われていったからではないかと。

 日本のジェンダーギャップ指数は146カ国で118位、G7でも最下位(2024年)です。まだまだ女性だからという理由で損をしている、壁があると思うので、女子教育に力を入れたいと強く思っているんです。