今年も「アイアン・フィスト」、正確には「IRON FIST 2025」の季節がやってきた。
略して「IF 25」日本語では「鉄拳作戦」となる。我が自衛隊と米軍との水陸両用戦闘をメインにした共同訓練である。このIFの主力となるのは日本側が陸上自衛隊水陸機動団、略して「水機団」、カウンターパートが米海兵隊となる。
日米合わせて過去最大の4000人の将兵が参加
イラク戦争後の2005年、水陸機動団はその前身は西部方面普通科連隊、これまた略して「西普連」であったため連隊規模だったのが、20年後の現在は旅団規模と装備も兵力をスケールアップ。3年前からは舞台をアメリカ西海岸から中国の脅威にさらされている日本の南西諸島などに移し、より実戦的かつ緊急性を帯びるものとなった。カウンターパートもアメリカ西海岸ではカリフォルニア州キャンプ・ペンデルトンをホームとする第1海兵遠征軍から現在は沖縄をホームとする第3海兵遠征軍となり、本訓練では第31海兵機動展開隊が主力として参加した。IF25はこの日の沖縄のブルービーチだけで行なわれていたわけやなく、先月19日から2週間以上かけて沖縄や鹿児島県下の南西諸島と熊本、長崎県で、日米合わせて過去最大の4000人の将兵が参加して繰り広げられた。この日だけでも自衛隊、海兵隊合わせ、約400人が様々な手段で上陸を果たした。
想定は敵に侵略された離島を日米両軍が奪還するという昨年と変わらずであるが、特定の地域や敵国を想定していないということは日米両指揮官が口を酸っぱくして主張され、これも昨年同様である。
訓練は強風のためほとんどの着上陸訓練が中止された昨年と違い、今年は抜けるような青空の下、内地の極寒や豪雪がウソみたいに気温はうなぎ上り、25度を突破、もうほとんど真夏である。そんな天候下、訓練はフルコースで順調に進んだ。この日のIFは0900(マルキュウマルマル)時に日米両軍によるゴムボートによる偵察部隊の上陸から始まった。

