海兵隊は勇猛果敢な猛者ぞろい
この間わずか20分である。20分で小部隊ずつとはいえ、ボート、AAV7、LCACと立て続けに上陸させたのである。陸上部隊の海からの上陸ほど敵からは攻撃しやすく、部隊としては防御が脆弱になるときはない。動きも速度も反撃方法も制限されるうえ、隠れる場所もない。だからどこの国の軍隊でも海兵隊は勇猛果敢な猛者ぞろいとして知られ、水機団も同様である。
さらに米海軍のLCU(上陸用舟艇)がその平底を活かし、ブルービーチにビーチング(乗り上げる)し米海兵隊員や大型車両や重機を揚陸させ、最後は陸上自衛隊のCH-47大型ヘリが内陸部に水機団員をヘリボーンで降ろし、一連の着上陸訓練の報道公開は一旦終了した。
このような連帯と訓練こそ「戦争を防ぐ唯一の方法」
この後、日米両指揮官は昨年に引き続き日本側は陸上自衛隊水機団長、北島一陸将補、アメリカ側からは米海兵隊第3海兵遠征旅団長、トレバー・ホール准将が日米メディアを前にして記者会見に臨んだ。
昨年は「隣国が国防に充分な備えがないと見るやためらわず侵略に及ぶ国が21世紀にもなって存在することをロシアが証明した」と述べられた北島団長は「島嶼防衛能力を高め、このような日米の連帯と訓練を誇示することこそ、敵に侵略を思いとどまらせ、戦争を防ぐ唯一の方法である」と。ホール准将も「このような訓練は実際に共に行動する可能性が高い部隊が実際に展開する可能性の高い地域で行われることが効果的であり、日米の統合された戦力によってこの地域のあらゆる脅威に対し抑止力を発揮できる」と述べられた。そして日米両指揮官はここブルービーチのある金武町や地元沖縄県民にもこのような訓練ができる場所を提供してくれたことに感謝の言葉をかけるのを忘れなかった。
確かに今回のIF 25では日米両軍のスムーズな連携を通じた統合訓練を目の当たりにして頼もしい限りである。両指揮官も自衛隊の水機団の能力を問われ、「水機団の前身である西普連から比べ、格段の進歩を遂げ、いまやカウンターパートの本家、米海兵隊にもひけを取らぬ」と胸を張る。一方、日本側水機団のカウンターパートである米海兵隊は18万の兵力を擁し、F-35戦闘機からFA-18戦闘攻撃機からヘリはもちろんAAV7やM1戦車まで装備する、実戦経験も豊富な自他ともに最強を誇る戦闘集団である。22万人の陸海空自衛隊より4万少ないだけの海兵隊との恒常的な連帯は心強い。

