東北から西を目指し日本縦断の旅を続ける一匹の犬と出会った人々との触れ合いを描いた、作家・馳星周の直木賞受賞作『少年と犬』(文春文庫)。

 その映画化作品に出演を決めた理由を尋ねると、「素直に面白そう、やってみたいと思いました」と西野七瀬は言う。出演が決まってから読んだ原作も、「面白かったです」。

 西野が演じるのは、デートクラブで働く女性・美羽。ある事情から夜の世界に入り、更に暗い秘密を抱えている。この役の選択は、チャレンジングと言ってもいいだろう。

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演技プランは考えすぎない、超感覚派

西野七瀬(以下、西野) たしかに今まで演じたことがない役柄なので、不安はありました。(撮影に)行ってみるしかないな、という感じでした(笑)。デートクラブの仕事のシーンもそうですし、アクション映画のような激しい場面もある。男に自動車に叩きつけられて、雨で濡れたコンクリートに倒れこんだり。相手役の方のお芝居が怖くて、ほんとうに恐怖を感じました。

――映画公開に寄せたコメントで、「今まで経験したことがない感情になる場面」が多かったと振り返っています。どんな役作りで臨まれたのでしょうか?

西野 そうですね……、私は前もって役作りをすることがあまりないんです。家では台詞を覚えて、役については考えますが、まずは現場に行ってみて、動きや流れを確認して、相手役の方と演じてみると、気づくことや思いつくことが出てくる。それを待ってます。事前にシーンの意味や具体的な演技プランは考えすぎない、超感覚派なんです。いつも、現場で何か閃いてほしいなと願っています。でも何も出ない時もある。そういうときは……そのまま自然体でいるようにします(笑)。