石破首相の商品券問題が紛糾しているが、杉田水脈氏についておさらいしておきたい。とても大事なことだからだ。
杉田水脈氏の問題の言動
自民党は夏の参院選の公認候補として杉田前衆院議員を発表した。特筆しておきたいのは杉田氏擁立をスクープしたのは北海道新聞だったことだ。アイヌ差別をしてきた人物を問い続ける地元紙の問題意識と憤りをひしひしと感じた。杉田氏はXで「私は今回の選挙戦を『マスコミ報道との戦い』と位置付けています」とポストしたが、報道側は選挙に出る人物の資質についてひるむことなく提供し続けられるのか注目だ。
杉田氏は2016年、国連の会議に参加した際、「チマ・チョゴリやアイヌの民族衣装のコスプレおばさんまで登場」「同じ空気を吸っているだけでも気分が悪くなる」などとブログに投稿。23年に札幌法務局と法務省が人権侵犯と認定した。他にも同性カップルを念頭に「『生産性』がない」と新潮45に寄稿するなど問題の言動は数多くある(新潮45はそのあと廃刊となった)。
人権侵犯について杉田氏は「私は執行を猶予すると書かれた文章をいただいており、報道各社の方々が人権侵犯認定を受けたとおっしゃるのはちょっと誤りである」と9日に記者団に語った。しかし東京新聞が法務省に確認したところ、担当者は「あくまで一般論」とした上で、「告発などの措置が猶予されているだけで人権侵犯の認定自体は消えておらず、事実としてある」。これがすべてなのである。
TBSラジオも同様の取材、確認をしている。そもそも人権侵犯の認定をされるような人物が国会議員であったことが衝撃なのだ。だが自民党はこの夏も公認候補として担ぐ。これが現在進行中の衝撃だ。
杉田氏はどうして自民党で「重宝」されるようになったのか?
『宗教右派とフェミニズム』(ポリタスTV編、山口智美/斉藤正美、青弓社)に経緯が詳しいので要約して抜粋する。