子どもたちからのクレームもあったけれど

 こんな日々の中で、盛り付けをキレイに見せようとか、お弁当を色とりどりの幕の内のようにするとか、ほとんど無理でした。一度ともやに、「ママ、もっとほかの人のお弁当のようにキレイに作って」と言われたことがありました。日本人学校の子どもたちのお弁当はカラフルで豪華だったそうです。ハンバーグや唐揚げ、オムライスに、おみそ汁、そうめんなどが並んでいて、どうやらうらやましかったようです。

毎朝作っていた6人分のお弁当

 それを聞いて、ふと自分の中学生時代の思い出がよみがえりました。共働きだった私の母が作ってくれたお弁当は、6年間コロッケとせん切りキャベツという極めてシンプルなものでした。専業主婦のお母さんが作る華やかなお弁当と比べて、少し残念だった記憶があります。ただそのときも母に専業主婦になってほしいと思ったことはありませんでした。少々お弁当が質素でも、学校の先生をしていたこともあり、話も面白く、刺激を受けたことは間違いありません。

 ですから、我が子どもたちもお弁当に対して文句は少々言っていても、うちの子どもでいることをありがたく誇りに思ってくれていると信じています(勝手な自信)。

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 ちなみに、洗濯物の量もまた、子ども6人分ですから、まさに終わりなき戦いです。1日2回洗濯機を回すのは当たり前。大変なのは誰かが病気になったとき。家庭内感染をした日には、誰かが吐いてシーツを汚す、洗う…。この繰り返しが起きたときは地獄でした。洗っては乾かし、また洗っては乾かすことが永遠と続きます。

 子育て真っ盛りの時期は洋服を買いに行く時間すらなく、季節の頭に大量に洋服を買ってそれを着倒す勢いで着るため、意外にもおさがりがないという事態に。みんなボロボロになるまで一着を着続けていました。靴下の数も大量でどうしてなのか片方がなくなってしまうのです。これは謎でしかありませんでした。

「ママ、ボク着るものがないんだけど…」「体操服がないんだけど…」子どもたちからは頻繁にこのようなクレームがありました(笑)。