一筋縄ではいかない子どもたちの進学問題

「イギリス人の父と日本人の母を持つ我が子たちには、両方の言語と文化をしっかり学んでほしい」。そんな親心から、私たちは引っ越しのたびにさまざまな教育方針を模索してきました。世界的な言語である英語は比較的習得が楽であることと、ダディの仕事上、どうしても英語は公用語となることが多かったので、最低でも幼稚園から小学校までは日本の教育を受けさせようと夫婦で決め、実行してきたのですが、これがまた一筋縄ではいきませんでした。特に日本人学校からインターへ転校するタイミングなど、進学に関しては親子共々悩みどころでした。

 中でもともやは長男で初めての子育て、また彼自身が中学生でYouTuberになったという特別な事情も重なり、高校をどうするかを悩みました。ロンドンの全寮制の日本の高校か、バルセロナのアメリカンスクールかで迷いに迷い、結局彼はバルセロナのアメリカンスクールを選択しました。

 

 次に続くじゅんも同じ学校を希望しましたが、運悪く空きがなく、イギリス系の私立高校へ進学しました。

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 ともやとじゅんに関しては、香港の学校で英語を学んでいたため英語の心配はなく選択肢が多くありました。ところが、かいとかづは、バルセロナの日本人学校で過ごした時間が長かったため英語が完璧ではありませんでした。そこでまた私たち家族は選択を迫られることになったのです。

 考えた末、子どもたちの語学力、アイデンティティ形成のため、イギリスへの移住を決意。2021年、ダディ、私、かい、かづ、りあ、りこの6人で、初めてダディの母国に住むという大きな期待を胸にイギリスに引っ越しをしたのです。

 しかし、現実は甘くありませんでした。かいとかづはあまりの課題と試験の多さ、また学校の友達との距離感に悩み、徐々に塞ぎ込みがちに...。

「休みたいなら1日くらい休んでもいいんじゃない?」という私に対して「1日たりとも休むべきではない!」というダディとで、教育方針の違いから、夫婦の溝が広がりました。一筋縄ではいかない子どもたちの進学問題や、夫婦間の葛藤、これらの試練は、夫婦や家族のあり方を見直すきっかけとなり、家族としての絆を強めるためのプロセスとなったのです。

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