「制服のシャツのボタンはしまらないので開けたまま着て…」

――ももせさんにとって胸はその頃、かなり邪魔なものだったんですよね。嫌にはなりませんでしたか。

ももせ 中3でGカップ、高1でIカップだったんですけど、中学校の制服がポロシャツで、割と伸縮性があって気にしてなかったんです。

 ただ高校に入学してカッターシャツになったら、伸縮性が全くなくて。腕の長さに合わせたシャツだと胸元が締まらなくて、逆に胸のサイズに合わせたらすっごいダボダボのサイズになって。それが嫌でした。なので高校時代はカッターシャツは腕の長さに合わせて、シャツの胸元は開けたままにしてその上にベストという格好でした。だから夏にどれだけ暑くても、ベストは絶対着てましたね。

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 あと高校生になってからも胸が大きいのが恥ずかしくて、体育の時はめっちゃ急いで着替えてました。友達からは「いつも動きがめっちゃ遅いのに、着替える時だけすごい動き速いよね」とか言われてました(笑)。

©釜谷洋史/文藝春秋

――胸の大きいグラビアアイドルの方は私服に困るケースが多いですよね。ももせさんも着れない服は多かったですか。

ももせ それこそダボダボの服を着ると、実際よりも太って見えますし。ピッタリした服の方がスタイリッシュに着れるし、すごくいいなって思ってたんですけど、そういう服を着ると危ない目に遭うんですよね。男性について来られたり。そういう経験をいっぱいしてきたのでファッションを優先するべきではないというのは、高校の途中ぐらいで悟りましたね。

――それはつらいですね。どのくらいの頃から、そうした変な人間に付きまとわれるようになったんですか。

ももせ 小学校の頃にはありました。私に付きまとってくる謎のおじちゃんがいて。なので小学校の頃は学校までおばあちゃんが必ず送り迎えしてくれました。

 中学校になったら、今度は別の人に付きまとわれるようになって。部活の帰りとかも、先生が「部活のみんなで一緒に帰ってあげて」って言って大人数で帰ってもらったり、すごい周りが気遣ってくれて。

――しんどいですね。どこでももせさんのことを知るんでしょうね。

ももせ わからないんですよね。登下校のどこかだと思います。日本人だけじゃなくて言葉の通じない外国の方にも付きまとわれたことがあって。それは怖かったですね。外で一人で歩くのが怖くて、常に誰かといるようにしていました。