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親米から反米へ……? 没落する保守派
韓国の安保を憂慮する声が出る背景には、韓国保守派の没落もある。
今回の米朝首脳会談にとりわけ厳しい評価を下したのは、皮肉にも「米韓同盟の守護者」を自負していた保守派だ。米国と北朝鮮の接近に警鐘を鳴らし、最近では、親米から、ややもすると反米ともみられる方向へ旋回するような珍現象が起きていた。
そこへ、会談翌日には文政権を問う統一地方選挙が行われたが、結果は進歩・革新派の与党「共に民主党」の大圧勝となった(広域自治体の知事・市長選17のうち14で与党勝利)。
「理念として保守を支持する人は30%くらいいると言われていますが、今回は真の保守派を標榜していた『自由韓国党』を審判する選挙となりました。そこでの大敗。国会議員の補欠選挙でも保守の牙城が崩れる前代未聞の結果となった。米朝の大きな動きがある中で、韓国の保守がどこまでそこにコミットできるかなど新しい姿を打ち出せず、親米から反米へと無残にも軸がぶれてしまった。保守派の解体、再編は避けられない」(別の記者)
6月14日、自由韓国党の洪準杓党代表はこう言って代表を辞任した。
「国がまるごとあっち(進歩・革新派)に行ってしまった」
文大統領一強の様相となってきた。
(※6/15 14:00、最新の情勢を反映するため、末尾の3段落を書き換えました)