「うちのクラスでいじめは絶対に許さない」といってくれた高校の担任
――自分のメイクについていろいろ言われたら嫌ですよね。
かぐや それこそ中学の時は、絶対これ私のことじゃん、みたいな似顔絵が黒板に描かれていたり、裏でクスクス笑い合っているような陰湿ないじめに遭ったんです。
でも高校の担任は、「うちのクラスでいじめは絶対に許さない」ってしっかり言い切ってくれる先生で。先生がちゃんと宣言してくれたこともあって、これでもう大丈夫なんだっていう心強さもありました。その先生は目に障害があって、そのせいで自分も昔いじめに遭っていたと聞きました。
――高校からメイクに目覚め、それが受け入れられる環境もあり、コスプレの世界へ入っていった?
かぐや 地元でコスプレイベントがあることを知って、参加したのがコスプレの始まりです。その時のコスプレは初音ミクでした。
でも、メイクも覚えたてだし、本当にヤバい出来で(笑)。その頃ちょうどお母さんにも、「やるならやり方をちゃんと勉強しなさい」って言われたんですね。高校を卒業した時には初めてデパコスを一式買ってもらったこともあって。
「勉強してきれいにやりなさい」と言ってくれた母
――メイクやコスプレを止めるのではなく、お母さんはむしろ、やるならちゃんとやれ、と。
かぐや 当時のメイクはおてもやんみたいになってたんですけど、そんな私を見たお母さんは、「汚いからやめなさい」じゃなくて、「勉強してきれいにやりなさい」って言ってくれたので、「じゃあやります」って(笑)。
その時はお小遣いしかなかったので100均とかキャンメイク、マジョマジョで安いコスメを買ってたんですけど、使うと腫れるタイプの湿疹が出ちゃって。今はめちゃくちゃ100均のコスメも質が高いですけど、当時は命がけで化粧してました(笑)。
――そこからプリンセスの仮装にチャレンジしたきっかけは?
かぐや 高校時代にコスプレイベントで出会った年上のお友だちから、「ディズニー・ハロウィーン行こうよ」って誘われたのがきっかけです。
普段のディズニーランドは子どもだけしか仮装できないんですけど、毎年ハロウィン期間だけは特別に大人もコスプレできるんですね。
当時は名古屋に住んでいたし、大学を卒業したばっかりでお金もなかったんですけど、この機会を逃したくないと思って、その時はじめて憧れのディズニーコスプレをしました。