大阪大学卒の美容系インフルエンサー・綾瀬ちいさん(24)。容姿へのコンプレックスから摂食障害となり、醜形恐怖症にも苦しんだが、独自にメイクの研究を重ね、劇的な“垢抜け”に成功。現在は、“かわいい”を目指すすべての人に発信を続けている。
そんな綾瀬さんに、容姿コンプレックスを持つようになったきっかけから、垢抜けのコツまで、話を聞いた。(全3回の3回目/1回目から読む)
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一流企業の内定を辞退…懇親会で感じた社風の“キツさ”
――お部屋で動画を撮られているようですが、家族が入ってきたりしませんか?
綾瀬ちいさん(以降、綾瀬) 親からは、「撮ってる時は“撮影中”って扉に貼ってくれ」って言われます。大声で下から「ご飯できたーー!」って呼ばれたりするんで(笑)。
――ご両親も綾瀬さんの動画を楽しんでいる?
綾瀬 そうですね。内定を断った当時は私自身、かなり情緒不安定になっていて、何にでもキレるような状態になっていたので、親としてもそんな人が家にいるのは嫌じゃないですか(笑)。
そんな中でYouTubeをはじめて穏やかになっていったので、「正社員になってストレスを溜めながら働くより、YouTubeで頑張ってお金も入ってくるならいいんじゃない」と言ってくれています。
――社風が合わず、大企業からの内定を辞退したということでしたが、どんな“社風”にキツさを感じた?
綾瀬 私は事務職で内定をもらったんですけど、女の子ばっかりだったんですね。逆に総合職はほとんど男の子で、将来的にはかなりの年収になるんです。
で、私はお酒が飲めないんですけど、飲み会がかなりある会社で、新卒入社の懇親会も開かれまして。そこで、女性の同期たちが男の子たちを立てるような振る舞いをしていて。
彼氏のいる子が当たり前のように「この会社の人と結婚するわ」と言っていて…
――食べ物を取り分けるとかお酌とか?
綾瀬 それもですし、スポーツ自慢みたいな男子たちの会話をひたすら「すごーい」ってヨイショする、みたいな。
で、彼氏のいる子が当たり前のように、「今の彼と結婚なんかするわけないじゃん。絶対、この会社の人と結婚するわ」と言っているのを聞いて、自分の価値観とあまりにかけ離れた世界がショック過ぎて、わーっとじんましんが出て首が腫れ上がってしまったんです。
――その世界はルッキズムもキツかったですか。
綾瀬 それこそ事務職は「顔採用」って言われてました。そのかわり仕事はめちゃくちゃ楽らしくって。でも、男性社員を立てなくちゃいけないことまでは自分もわかってなかったですね。それってもう、“喜び組”ですよね。
で、飲み会の後日、家庭教師のバイトで会った生徒の子から、「首、真っ赤だけどここに来ていい人?」って言われて(笑)。誰が見てもおかしかったんで、ドクターストップとなって内定を辞退したんです。