「SNSのキラキラな部分に踊らされてた」一流企業への就職を希望した理由
――ちなみに、大学では何を学ばれていたんですか。
綾瀬 私は文学部だったんですけど、卒業論文は女流作家の岡本かの子について書きました。
――芸術家・岡本太郎のお母さんですよね。岡本かの子のどういうところに惹かれた?
綾瀬 女子校に通うと、強い女に憧れるんですよ(笑)。男性にも負けない、バリバリやってる女性なんで、好きです。あと、私はおもろい女になりたかったので、言葉に磨きをかける意味でも文学部を選びました。
――内定先の世界観とはかなり違うような。
綾瀬 そうですね。あと、私の出身校の阪大って、“陰キャ大学”みたいに言われてて。表面上のコミュ力はあるんですけど、どっちかっていうと内向的な人が多いというか。
逆に、関関同立とかMARCHといった私学出身者は外向的な子が多いし、私生活の話もちょっと違うっていうか。それはもう学歴じゃなく風土だと思いますし、そこで踏んできた過程の違いは大きいのかなって。
――一方で、一流企業に内定をもらえたことは自信になった?
綾瀬 就職難易度がめちゃくちゃ高い企業かつ、「顔採用」と言われる事務職で内定をもらえたことで、自分はかわいくなれたし、そこそこ優秀だったんだと思ったら、それがゴールになってしまったんですよね。
都会のタワマンでおしゃれなライフスタイルを送るみたいな、SNSのキラキラな部分に踊らされてたんだなと、今は思います。
内定辞退をきっかけに情緒不安定に
――そこからYouTubeを始めた経緯は?
綾瀬 高校時代は摂食障害と醜形恐怖症でしたけど、内定辞退をきっかけに第三の精神疾患というか、情緒不安定になってしまって。
最初のうちはとにかく何にでもキレていて、梅田で友だちが「ぶつかりおじさん」に遭遇した時も私がめっちゃキレて、「お前、謝れよ!」って追いかけ回したりしていました。
でも、そのうちに家から全然出られなくなってしまったのと、将来的には本を出したり、自分の考えを発信したい気持ちもあり、YouTuberやるか、と腹を据えました。