――私は、主権者教育や若者の政治参加に取り組む中で、国民民主党にはとても期待していることがあります。学校内民主主義の法案です。学校内の自分たちのことを自分たちで決めることはすごく大切だと思っていて、社会を変えられない無気力感を変えるきっかけになると思います。

玉木 国民民主党の伊藤孝恵議員らがすごく頑張ってやってくれています。自分のことは自分で決める。それが、自分の国を自分で守ることにもつながると思うんですよね。自分の人生の操縦桿を自分で握ろうということを、小さくていいから具体的な成功事例の中で実感していくことは大事だと思います。

 

 今回の衆院選で注目された103万の壁も、みんなの懐に関わることじゃないですか。手取りをどう増やすのか、増やせないのか。1つの野党が言った政策がニュースなどで連日取り上げられて、自分事として受け止めていただいたことは意味があったと思います。

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 学生の親に適用される「特定扶養控除」。これも所得要件は103万円でしたが、150万円に上がることが決まったので、今年から学生の皆さん、アルバイトは150万円までできますから、そういう意味では動かしたんですよ。

 だから我々が今回引き上げの額も含めて成果にこだわっているのは、選挙に行ったら1票で確実に変わると思っていただければ、次も選挙に行ってくれるので、その成功体験を学校の中でも感じていただきたいですね。

――最後に、国民民主党には未来の子どもたちのための政党としてすごく期待しています。いま政治の世界では、減税や給付が焦点になっていますが、財政的に将来にツケを回さないという視点も重要だと思います。票にはならなくても、現役世代だけでなく、未来の子どもたちのための政策にも力を入れてほしいです。

玉木 資源のない日本で未来を作っていくのは若者です。そこをエンパワーしない国家や社会は成長しない。教育とか技術に対する投資は惜しみなくやろう、お金がないと言うなら教育国債を発行してでもやったらどうだというのが我々の方針です。長期的にリターンが出て国債の分は返ってくれば負担にもならないのでやりませんかということも提案をしています。

 高齢者が増えていく社会の中では、予算の配分がどうしても年金・医療・介護に回る比率が高まっていくのは仕方がない。でも未来への投資を犠牲にして今の高齢者に付け替えていくだけでは、未来の芽を摘んでしまう。そこはかなり意識して政策を組み立てています。

 

「国民民主党の政策は少数政党だからこそできる」は本当?

――ある自民党の議員さんは、国民民主党の現役世代をど真ん中に据えた政策は少数政党だからこそできることで、自民党や立憲民主党には難しいと話していました。そうだとすると、国民民主党は今後どこまで議席を増やすことを目指していくのでしょう。現役世代をど真ん中にしていくのか、高齢者世代などにも目を向けていくのか。

玉木 なかなか鋭い質問で難しいですね。我々は当面、今の規模を少しずつ拡大していく路線しかないと思っています。今の目標は、全国で600万票を安定的に取れる政党にしたいということ。

 共産党さんや公明党さんを超えるような、600万票以上を安定的に獲得できる規模の政党に成長すれば、各政党の議席がどんな形になってもキャスティングボートを握れるだろうということでやってきました。なので当面は、中規模政党として拡大していくという認識ですね。

――夏には参議院選も控えています。

玉木 この夏の参議院選挙で任期が切れて改選になる国民民主党の議席は4つなので、これをいかに広げていけるかが勝負です。昨年の衆議院選では、「単独で法案提出ができる21議席を取らせて欲しい」と訴えて28議席になりました。参議院でも21議席を取れば、予算関連の法案も出せるようになります。ハードルが高いのはよく分かっているんですが、キャスティングボートを握って政策に影響を与えられる規模になりたいと思っています。

※取材の模様はYouTubeでもご覧頂けます。

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