先日、3ヶ月間フィンランドへ移住することを発表し話題を呼んだ杏が、きょう4月14日に39歳の誕生日を迎えた。

「親の力を借りるのはイヤだった」(『女性自身』2002年8月20・27日号)と、父親が渡辺謙であることは隠して事務所のオーディションに臨み、15歳でモデルとしてデビューした杏。その後は俳優としても着実にキャリアを重ね、朝ドラをはじめ数々のドラマ・映画に出演してきた。海外移住を果たし、3人の子育てに励む母親でもある彼女の、“次なる目標”とは?(全2回の2回目/はじめから読む

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 2013年、杏は朝ドラ『ごちそうさん』でブレイクを果たした。2015年には同作で夫婦役で共演した東出昌大と結婚し、翌年、双子の女児を儲けた。さらに翌々年には男児を出産し、3人の子の母親となる。

自宅での引き語り風景には子どもの後ろ姿も(トップコートのYouTubeチャンネルより)

「不倫モノには共感できない」

 産休を経て2016年に映画『オケ老人!』で仕事に復帰した。2019年には東村アキコのマンガを実写化した『偽装不倫』で久々に連続ドラマに出演する。このドラマは、彼女演じる独身女性が旅先で年下の男性と出会い、既婚者と偽ったことから恋が始まるという話で、放送前のインタビューでは《不倫モノには共感できないんですけど、実際に不倫しているわけではなく、主人公を応援したくなる、もどかしいラブストーリーなんです》と説明していた(『週刊文春』2019年7月11日号)。「不倫モノには共感できない」という言葉に、つい、当時彼女が置かれた境遇を思い出してしまう。色々あった東出とは結局この翌年、結婚生活に終止符を打っている。

ドラマ『偽装不倫』(2021年)出演時の杏 ©文藝春秋

『偽装不倫』への出演は、もともと東村作品のファンとあって、決まったときはうれしかったという。近年も、『キングダム 運命の炎』で古代中国の趙国の闇商人・紫夏(しか)、『翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~』では大阪・京都・神戸の支配に抗う“滋賀のオスカル”こと桔梗魁と、マンガ原作の映画(いずれも2023年公開)で現実離れしたキャラクターを演じている。

 仕事を選ぶ基準について杏は、《実生活のなかで私は「母親」なので、仕事ではそこからはかけ離れたものを中心にやりたいと思っている》という(『PHP』2024年6月号)。だが、昨年公開された映画『かくしごと』ではこれを覆し、自分と同じ30代で、子育てや離婚経験もある児童書作家の千紗子を演じた。