きょう6月19日は、女優の広瀬すずの誕生日だ。2012年に14歳で雑誌『Seventeen』の「ミスセブンティーン2012」に選ばれ、同誌専属モデルとして芸能界にデビューした彼女も、20歳となった。

『海街diary』で新人俳優賞に

 女優デビューはドラマ『幽かな彼女』(古家和尚脚本、13年)。翌14年放送の『おやじの背中』の第3話「なごり雪」(倉本聰脚本)では西田敏行の孫娘を演じた。そのピュアさに筆者も釘づけとなったのを思い出す。映画でも、是枝裕和監督の『海街diary』(15年)で、父の死を機に3人の異母姉と暮らすことになった少女を好演して一躍注目され、日本アカデミー賞新人俳優賞など賞を総なめにした。

映画『三度目の殺人』はベネチア国際映画祭で公式上映された ©getty

 今年2月には、是枝監督の『三度目の殺人』(17年)で共演した斉藤由貴と東京スポーツ映画大賞の助演女優賞を受賞。東スポ映画大賞では一昨年の新人賞(『海街diary』)、昨年の助演女優賞(『怒り』李相日監督、16年)に続く3年連続の受賞となり、審査委員長のビートたけしは《それだけ賞を取ってるのに印象がないのは、逆に役者としてはいいことだよ。毎回、新鮮に見えてるってことだから》と独特の言い回しで評した(「東スポWeb」2018年2月11日)。

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「びっくりするくらいメンタルは強い」

 たしかに、CMなどでは快活な美少女というイメージが定着している広瀬だが、映画やドラマでは作品ごとに異なる印象を受ける。『ちはやふる』3部作(小泉徳宏監督、「上の句」「下の句」16年、「結び」18年)で競技かるたに情熱を注ぐ高校生を演じたかと思えば、『怒り』ではある事件により心に深い傷を負う少女を演じ、衝撃を与えた。

映画『怒り』ポスターより

 広瀬自身、『怒り』の撮影中は、どう演じればいいのか悩み続け、《お芝居は嘘をつけないので、心の中で自分自身に罵声を浴びせて自分をどん底まで落として》というほどだったという(『キネマ旬報』2016年4月下旬号)。並みの人間ならつぶれてしまうところだが、しかし彼女は違った。前掲のインタビューでは、《常にメラメラしていて壁にぶち当たっても常に戦闘態勢だし、自分でもびっくりするくらいメンタルは強いから、あの経験もバネになりました》と語っている。