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日朝会談いつやる論 読朝毎&産経“読み比べ”で見えた「首相の事情」

9月をめぐる、水面下の「攻防」を読み解く

2018/06/22

「会うだけオッケー」が許されない安倍首相

 朝日新聞は同じ日に「拉致解決へ 政権手探り」。

 首脳会談が9月の自民党総裁選より前になれば結果がすぐに問われると書き、「首相周辺」の言葉を載せた。

「『お会いできて良かったです』とだけ言って帰ってきたら、政権が倒れる」

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 インパクトのある言葉。やはりここでも拉致問題とともに政局に対する警戒心があった。

 トランプは金正恩と「会うだけ」でオッケーだったのが、安倍首相は会うだけではダメという状況なのである。

トランプ氏とは置かれた状況が違う ©JMPA

では、日朝会談の実現可能性は?

 そんななか、

「北メディア 拉致『解決済み』」(産経 6月16日)

 北朝鮮がさっそく日本に対してけん制してきたのである。

 週明けの朝日新聞には最新の世論調査が掲載された。

「日朝会談『早期に』67%」(6月18日)

 期待がかかる数字だ。しかし簡単には会うことができない事情が読み比べでわかる。

開催されれば2004年以来3回目となる日朝首脳会談 ©共同通信社

 ここでヒントとなりそうなのが毎日新聞の、

「日朝会談 調整本格化 政府、9月開催を模索」(6月15日)

である。

 日朝首脳会談の開催について国際会議を利用する案が浮上したと書く。

・9月にウラジオストクで開く「東方経済フォーラム」

・9月のニューヨークでの国連総会

9月に「東洋経済フォーラム」が開かれるウラジオストク ©iStock.com

 どちらも金正恩氏も出席に意欲を示しているという。

 一対一で会うのはリスクが高い。それならまず国際会議で。

 もし第一印象が悪くなければ「あとはお若い人同士で」という展開もあるのだろうか。リビア方式ならぬお見合い方式。

 日朝会談、やるのかやらないのか。日程のせめぎ合いにも注目である。

日朝会談いつやる論 読朝毎&産経“読み比べ”で見えた「首相の事情」

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