文春オンライン

日朝会談いつやる論 読朝毎&産経“読み比べ”で見えた「首相の事情」

9月をめぐる、水面下の「攻防」を読み解く

2018/06/22
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 あの米朝首脳会談。

 東スポは、

「正恩氏のぷるぷる美肌が女性の話題に 北朝鮮が化粧品で外貨獲得も」(6月15日付)

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と報じた。 

北朝鮮特産の高麗人参 ©iStock.com

「水がきれいで、美肌成分が含まれる高麗人参を使った化粧品は、北朝鮮の特産品として有名。正恩氏も愛用しているのではないか」という北朝鮮ウォッチャーの言葉。

 あの美肌は北の新たな外貨獲得の切り札、ステルスマーケティング?という見方を紹介して記事は終わる。

 東スポもアツく報じた北朝鮮&金正恩。

高麗人参のおかげ(?)でお肌の調子もよい金正恩氏 ©getty

「北と会談 私の番だ」

 新聞各紙の次のモードは「では日朝首脳会談はあるのか?」になっている。今回はこれについて記事を追いたい。

 まず産経新聞の1面がインパクトがあった(6月15日)。

「首相、拉致解決へ決意」という見出しの横に、

「北と会談 私の番だ」

「私は だまされない」

という言葉が並んだ。これは北朝鮮による拉致被害者家族会と面会したときに安倍首相から出た言葉である(6月14日)。

金正日氏と金正恩氏 ©共同通信社

 首相は面会で、「私は北朝鮮にだまされない。1994年から拉致問題に取り組んできたが、何度もだまされてきた。北朝鮮のだましの手口は分かっている」と強調。日朝首脳会談について「首脳会談をこちらがやりたいといえば、足元を見られる」と述べたという。

 それと同時に「トランプ氏は、私が拉致問題に関して伝えたことを率直に金氏に言ってくれた。次は私の番だ」と述べたのだ。