定番ギャグ「ごめんねごめんね~」でお茶の間を一世風靡。最近では冒険バラエティ番組「陸海空 世界征服するなんて」(テレビ朝日)で過酷なアマゾン・ロケを敢行するU字工事のお二人。そんな彼らが歌手デビューする。しかも昭和な正統派ムード歌謡なのだから驚きだ。益子卓郎さんと福田薫さんが、笑いに憧れてコンビを組んだ高校時代、栃木弁がウケた初めてのオーディション番組など、デビュー前の思い出を振り返る。(後編に続く)
◆ ◆ ◆
ムード歌謡を歌うキッカケ
――この6月27日、いきなり歌手としてデビューしちゃうんですね。
益子 今年のお正月にニッポン放送のお昼の看板番組、「高田文夫のラジオビバリー昼ズ」に出たんです。出演が終わって帰ろうとしたら、いきなり高田先生から「ヨシ! お前ら、ムード歌謡を唄うことになったからな」って問答無用に申し渡されまして。
福田 これは断れないですよ。断ったら、先生に消されちゃいますからね(笑)。
益子 先生の見えざる手で、俺らアマゾン川に浮かんじゃいます。怖えよなァ。
福田 うん、密林で消息不明もあるよね。
――「ラジオビバリー昼ズ」が30年を迎えるので、記念ソング「ビギン・ザ・ギンザ」を歌う、と。益子さんがメインボーカルですけど、福田さんは何を?
福田 ずばりコーラス(笑)。一人っきりなんですけど。
益子 いまじゃ、人も複製が効くから。クローン技術も進んだしよ。
福田 んなわけないよ、音処理だろうよ!
益子 ああ、わかるわかる。コピペね。
福田 生半可の知識はやめろよ。真面目な話、魂のコーラスを演ってますよ。
――だけど、二人は栃木オリジンじゃないですか。なんで銀座を歌うんでしょうか。
益子 作詞もなさっている高田先生によると、栃木出身コンビが都会を唄うから洒落てるんだよってことらしいです。お話を頂いたときはマジで嬉しかったんですよ。俺のヘビロテ、昭和のいる・こいる師匠の大ヒット曲「そんなもんだよ しょうがない」の作詞家のご指名ですもんね!
福田 あれいいよね、玉置浩二さん作曲で。
益子 そうそう、すげえ曲なんだ。ピーちゃんが音楽でねえ。
福田 愛称で呼ぶな! なんか懐かしくなるから。
――でも益子さんの歌声は普段から使ってますよね。いい声で。ムード歌謡は好きでしたか?
益子 大好き。婆ちゃんと一緒にNHKの歌謡ショーとか懐メロ番組を観てたんですよ。高校の時にもクラスメートに演歌好きがいまして。俺は吉幾三さんとか鳥羽一郎さんのベストアルバム買ったりね。
福田 それ、演歌だろうよ! 訊かれてるのはムード歌謡だろ。
益子 好きだったな、吉さんの『雪國』。
――ばっちり演歌ですね(笑)。
益子 内山田洋とクール・ファイブやロス・プリモスも大好きで聴いてましたよ。前川清さんの直立不動スタイル、あれで今度唄いてえなあ。